透析液清浄化報告10月号
今月の当院で使用している透析液のエンドトキシン濃度及び、最近培養検査の結果が出ました。
ET活性値:0.3 EU/L未満 (測定感度未満)
生菌数:0.1 CFU/mL未満(測定感度未満)
でした。
日本臨床工学技士会の出している透析液清浄化ガイドラインには、
透析用水生物学的汚染管理基準
ET活性値:50 EU/L未満 目標値 1 EU/L未満
生菌数:100 CFU/mL未満 目標値 10 CFU/mL未満
測定頻度:月1回以上測定
とあります。
当院では、日本ポール 37mmクオリティモニターとR2A培地の2種類の細菌培養測定装置を使っています。
エンドトキシンは日機装社製のトキシノメーターです。
おみやげは温泉卵
昨日の記事で、研究会でいろいろためになる話を聞いてきたと書きましたが、その中で特に役立てそうな講演がありましたので、記事にします。
透析にはシャント血管に針を刺す操作が必要です。
針を抜いた後は出血しますので、必ずガーゼなどを使って出血部位を押さえなくてはいけません。
透析室には、たくさんのスタッフがおり、若い人から、年を取った人。性別も違います。
本来は止血操作も同じ強さとしなければいけないのですが、なかなか同じ強さで圧迫するのは難しいのではないかと思います。
これまでは新人のスタッフに対しては、このぐらいと口で止血の強さを伝えていました。
圧迫は、強すぎてはシャントがつぶれてしまいます。
出血しないぎりぎりの強さで押さえることがポイントです。
そのぎりぎりの強さが、温泉卵を押して割れないくらいの強さだそうです。
この講演を聞いて、思わずこの方法についていくつか質問してしまいました。
一つは生卵やゆで卵ではだめかについてですが、やはり温泉卵でなければならないそうです。
研究会が行われたホテルからスタッフへのおみやげとして買ってきた温泉卵と、学会スタッフの方が僕が質問してる写真を撮ってくださって、写真をいただきましたので、並べて撮影しました。
今日、早速みんなでこの温泉卵を押してみたいと思います。
インフルエンザワクチン接種開始
当院でのインフルエンザワクチン接種は、10月15日より開始しましたが、2,3日前よりぽつぽつと接種を行う方がいらっしゃるようになりました。
当院看護師さんからは、『先生がやってね』と言われてしまい、現時点では院長接種となっています。
忙しいときは看護師さんがやってくれるそうです。
患者さんで、『看護師さんにやってほしい!』と言う方がいらっしゃったら、どんどん申し出てください。
痛くない接種の仕方を考えてやっております。
刺す場所を圧迫してから接種すると、皮膚の感覚が鈍化して痛みが減ると言われていますので、刺すところをよく親指で圧迫してから刺しています。
そして、皮下で表面に近いと副反応が出やすいと言われているので、なるべく皮下脂肪の厚い部分を選んでもいます。
また、お子さんで、赤く腫れ上がった場合には、腫れを引かせるお薬がありますので、気軽におっしゃってください。
クリニックの透析中
援腎会すずきクリニックの2階では血液透析治療を行っていますが、透析治療の間、患者さんたちは様々な時間を過ごしています。
日頃の疲れを癒すために眠っている患者さん。
テレビを見て楽しんでいる患者さん。
ベッドを起こして本をずっと読んでいる患者さん。
そして、以前紹介したエルゴメーターを使ってエクササイズをしている皆さんもたくさんいらっしゃいます。
午後の患者さん2人がエルゴメーターでエクササイズしています。
一人の方は、夏の間、午前中水泳をしてから午後の透析中エルゴメーターを行っていました。
もう一人の方も、毎日の散歩しており、エルゴメーターも1時間行っています。
このエルゴメーターは電動式なので、無理なくエクササイズ出来るのが好評な様です。
たくさん栄養をとっていただき、どんどん運動してもらい、たまった毒素は十分な透析で除去するのが援腎会の方針です。
クリニックでの治療
この間、読売新聞の提言についての記事で開業医のことを書きました。
一般のイメージとしてあるのが、開業医はお金持ちというイメージでしょうか。
実際には現時点では、患者さんが来なくてお金が足りなくならないかという心配しかしていないので、よく分かりませんが。。。
なぜ自分でやりたいのかと言うことについて、病院という枠では出来ないことをやりたいからと言う理由があると言うことを知ってもらいたいと思います。
現在当院で行っているオンラインHDFは、既存の病院の透析室で新しく行うことは難しいと思います。
コストがかかる治療であり、経営者側からすると、採算が取れなくなる可能性を指摘されてしまうかもしれません。
ただ、いいと言われている透析治療をやってみたい、提供したいと言う気持ちが強かったんですよね。
自分で、これがいいと思った治療を行えるのが、我々開業医であると常々思っています。
いい治療を提供する、そのためスタッフ一同で頑張る。
一つのことに対し一生懸命やるのもクリニックの治療でもあるのです。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。