高齢女性は腎移植を受ける可能性が低い
Journal of the American Society of Nwphrologyと言う雑誌の1月号オンライン版にタイトルの発表がありました。
時々、医療情報として、我々のところにそのようなレポートがやって来ます。
末期腎臓病の女性は、同年齢の男性に比べて腎移植を受ける可能性が低いという報告です。
この結果は、米国で2000年から2005年の末期腎臓病を有する成人患者56万人以上を調査した研究の結果と記載されています。
18〜45歳の女性が移植を受ける機会は男性と同等であるが、56歳以上では、年齢が進むとその機会が少なくなるそうです。
『研究者らは、患者や医師は、高齢女性及び重病女性が重大な外科的処置に耐え得るほど強健ではないことを認識していると推測している。研究者らは、ベネフィットが得られる可能性のある女性において腎移植の機会を増加させる介入を計画するため、詳細な研究を実施することを勧めている。』と書いてあり、締めくくられていました。
僕は、これを見て、別な感想を持ちました。
一般に、高齢女性は、男性に比べ体格が小さく、活動も少ないです。
つまり、現状で行われている透析で、毒素が有る程度除去されているので、透析不足による症状や合併症が少ないのではないかと推測しました。
それに比べ、体格の大きい男性では、通常行われる透析では、透析不足となるため、その症状を改善したい欲求により腎移植を受ける希望が強くなるのではないかと思いました。
透析時間、血流、透析液流量が同じであるならば、身体が小さいほど、効率は良くなります。
つまり、体格の小さな女性ほど有利になり、満足度も高くなるはずです。
以上のことから、体格の大きな男性の場合では、もっと時間を長くして、血流を上げて透析量を増やしてやればいいのではないかと思うのです。
どうでしょうか。
最近、コメントも無いので、ご意見をください。
一部の方から、コメントを入れてもはねられてしまうと言うご意見をいただき、m3にメールしましたが、すっきりした返事がいただけず、ご迷惑をかけています。
気をつけよう日本電電広告
クリニックには、連日のようにたくさんの郵便物がやって来ます。
請求書や振込依頼書も送られてきます。
今日もいつものように郵便物を見ていたところ、今年初めてお願いしたNTTタウンページの広告料の振り込み用紙が届きました。
いつものように内容を確認するため中を空けたのですが、金額が違うことに気がつき、送ってきた日本電電広告という会社についてネット検索しました。
日本電電広告でgoogleしたのですが、関連キーワードが 日本電電広告 詐欺 と出てきました。
たくさんのサイトで、この会社がNTTの電話帳広告の請求書と紛らわしい通知を送っていることが分かりました。
裏面に、
この郵便物は当社発行の全国官公庁電話番号広告簿の広告申込案内ですので、日本電信電話㈱発行のタウンページと混同なさらぬ様お願いします。又、御申込後解約なさる場合は当社規定の手数料を差引き返金致します。尚、印刷後は解約に応じられ
ません。
と書いてあります。
NTTは電話料金と共に引き落としになるそうです。
何とかならないのでしょうか。
健康機器総合カタログ
当院では、開院以来透析中の運動療法を積極的に行い、このブログでも
エルゴメーター導入
http://blog.m3.com/ennjinnkai/20080730/1
クリニック透析中
http://blog.m3.com/ennjinnkai/20081022/1
福島腎不全研究会
http://blog.m3.com/ennjinnkai/20081130/1
とご紹介してきました。
今回、Escargotを販売している株式会社 明成 さんから、健康機器総合カタログに、Escargotを実際にクリニックで使用している立場から感想を載せさせてほしいという依頼があり、お受けいたしました。
総合カタログの表紙です。
このカタログをめくると第1ページにEscargotが載っています。
すごいでしょ。
男性が飲んだ薬の胎児への影響
先日、薬屋さんから頂いた資料に、「男性が服用した薬剤の妊娠・胎児への影響について」と言うものが有りました。
今まで、男性が内服した薬剤が胎児に影響することは無いと考えていました。
精子は、成熟するまで約74日くらいかかります。その後体内に20日くらい蓄えられるとされています。
と言うことは、薬剤の影響が出るのは、受精の3ヶ月前となります。
ただ、射精される精子は数億個です。その中の選び抜かれた一個が受精しますので、奇形が有る精子が受精する確率より正常な精子が受精する確率の方が非常に高くなります。
しかも、奇形の精子では、受精能力を失うか、受精しても着床しない、もしくは妊娠早期に流産する可能性が高いです。
ですので、出生したときに催奇形性のような異常は起こらないとされています。
精子の異常で胎児に影響が出ることは無いようです。
しかし、精液を介しての女性への影響が有るそうです。
有名な薬では、サリドマイドがあります。
それから、抗ガン剤や抗リウマチ薬、そして、一部の抗ウイルス薬と、最近販売中止になる抗真菌薬でも可能性が有るようです。
最も驚いたのは、コルヒチンというよく使う痛風の痛みを抑える薬も危険性が有ると言うことでした。
コルヒチンは、痛風の治療薬ですので、よく使われる薬です。
予防としては、避妊をすることになりますが、内服後は3ヶ月くらいはコンドームを着用すべきだと言われています。
僕も、痛風の方に対し、コルヒチンを処方することが有ります。
今後は、処方するときには注意するよう説明しなければなりません。
経口補水療法
風邪を引いて具合が悪く食欲がない、下痢がひどいなどの患者さんがいらっしゃいます。
特に、小さなお子さんやご年配の方は、脱水になりやすい傾向があります。
これまで、そのような方を診察したときには、安易に『水分を十分に取りなさい』と指導していました。
しかし、発汗、下痢や嘔吐が有ると水分だけでなく、ナトリウム、カリウム、クロールなどの電解質も失われていることを忘れてはいけないようです。
つまり、汗をかいたり、下痢したり、吐いたりすれば、水分と共に塩分も足りなくなると言うことです。
激しい下痢や高熱の患者さんが来院した場合で、水分も多く取れないという患者さんに対して、しばしば点滴を行います。
点滴には、細菌をたたく抗生物質やビタミンの補給をするものも有りますが、体内の水分を補うことと電解質のバランスを良くすることを目的としていることが多いです。
そこで、脱水症状が軽度で、水分も口から取れる場合には、経口補水液を利用するという方法もあります。
この方法は、発展途上国などで、衛生環境が悪く、医療設備が整っていないために、点滴を行うことが難しい地域で進んでいます。
経口補水液の成分は、数種類の電解質とブドウ糖が入っており、脱水時におこなう点滴と同じような成分になっています。
それならば、スポーツドリンクで代用できるのではないかと考えられますが、と言うかこれまで僕もそう思っていたのですが、これらの商品は、経口補水液に比べて飲みやすくなっているので、電解質の成分が半分で、糖分が多くなっています。
結果として、脱水症状の改善よりは予防を主としているもので、脱水症状の改善には劣っていると言えます。
経口補水液は、 砂糖40g(上白糖大さじ4と1/2)と食塩3g(小さじ1/2)を湯冷まし1リットルによく溶かして作ります。
出来れば、レモンやグレープフルーツなどの果汁を加えて飲みやすくすると、カリウムの補給になっていいでしょう。
使い方としては、弱った身体に負担をかけないように、ゆっくり点滴を行うように、少しずつ飲んでください。
ただし、塩分制限をしている方の場合は、医師に相談してからにしてください。
実は、先日薬屋さんが経口補水液の宣伝に来て、お年寄りの多い当院では使う場合が有るのではと考え、OS−1という製品を院内におくことにしました。
僕は、体調不良の時に飲んですごく良かったのですが、いつも来ている患者さんに試しに差し上げたところ、しょっぱくってだめだと言うことでした。
ただ、二日酔には効きそうです。
もちろん、風邪や下痢で具合が悪いときは、点滴並みの効果が有りますので、いいかと思います。
追加ですが、透析患者さんはナトリウムが多いので、お勧め出来ません。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。