2009.07.12
診療
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学習勉強会14

当院でその当時3ヵ月以上の透析治療を受けていた方は11名で、平均年齢が約60歳、糖尿病が原疾患の方が11名中5名でした。
透析歴は、平均約3年で、透析方法は、一台の通常HDF以外はオンラインHDFを行っています。

導入直後の方が多かったため、転院時の透析時間は4時間弱でしたが、尿量減少と共に時間延長をお勧めしていましたので、その時点で4.3時間にとなっていました。

その当時は、6時間透析の人が1人いらっしゃいました。
かもめクリニックで、長時間透析が高血圧を防いでいると言う実績を知っていましたので、転院時に血圧が高く、降圧剤でコントロール不良であったため、6時間透析を行っていました。
現在は、血圧も下がり、本人と相談し、5時間透析を行っています。

現在は、5時間透析の方が最長ですが、どうしても体重コントロールが不良の方がいらっしゃって、その方は週4回の透析を行っています。
基本的には、透析はやればやるほどいいという考え方でやっていますので、その患者さんを良くする方法で対応できる事は行いたいと考えています。

血流量は、一般的に使用している針の太さから取れる流量が毎分300mlくらいまでだとの考えから、当院では積極的に300ml/mlまで上げています。

現在、20数名の患者さんが血液透析を当院で受けられており、シャントの調子が悪い方以外は、ほとんどの方が毎分300mlで透析を行っており、最大360ml/分の血流量で透析を行っていますが、心機能の悪くなった患者さんはいらっしゃいません。

当院で行っている透析方法が、オンラインHDFであり、血流を上げても不均衡が起こりずらく、心臓への負担が少なくなっている可能性もあります。
しかし、基本的には以前書いたように、引いた分だけ返しているので血流を上げても問題ないのだと思います。

2009.07.12
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学習講演会13

これからは、おまけみたいなものです。
昨年5月に開院し、半年経過した12月の時点で、当院の治療成績を福島腎不全研究会で発表しました。

透析量の増加とオンラインHDFを行うことで、どのくらいの成果が有ったかを、半年という短期間ですが、発表しました。

援腎会すずきクリニックでは、開院時より、
  透析液の清浄化
  透析時間の延長
  血流量の増加
  オフライン及びオンラインによる血液濾過透析
 を行うことで、
『透析中の苦痛が少なく、元気で長生きできる』
透析を目指しています。

当院では、東レメディカル社製の、トータルクリーンシステムを採用して、透析液の清浄化を達成しています。
透析液作成には、いくつかの行程がありますが、1つのメーカーが全ての過程を行っているので、バリデーションされた状態となっています。

これにより、透析液のエンドトキシンや細菌は測定感度未満となっています。
このことは、月1回ホームページ及び院内掲示にて結果を公表しています。

2009.07.08
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24時間血圧計(ABPM)を導入しました。

当院では、慢性腎臓病の治療を積極的に行っています。
慢性腎臓病の管理で最も重要なことは、高血圧を防ぐことです。

最近、高血圧の中でも、早朝高血圧や夜間高血圧があると臓器障害を起こしやすく、リスクが高いと言われています。

しかし、なかなか夜間血圧を測ることは出来ません。
そこで、24時間の間、15分から60分感覚で血圧が測れる24時間血圧計が注目されてきました。

最近、測定に保険が適応されるようになり、当院でも導入することといたしました。

費用は、3割負担の方で、600円、1割負担の方で200円です。
ご興味のある方は、お話ください。

2009.07.04
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学習講演会12

オンラインHDFのデメリットについてですが、透析施設側のデメリットと透析を受ける側のデメリットが有ります。

透析施設側のデメリットは、透析液の管理にコストがかかることです。
当院では、東レメディカル社の最新の洗浄消毒方法を取り入れた「トータルクリーン化システム」を導入しすることで、徹底的に水質管理を行うことが出来ました。
これは、透析設備がパッケージ化された新しい施設だから出来ることで、既存の施設で行うのはとても大変な事だと言われています。
そして、透析液のエンドトキシンを取り除くエンドトキシン除去フィルターは高価ですが、頻回に交換する必要があります。

また、どんなに素晴らしいクリーンシステムを使っていても、本当にきれいになっているのかを確認していなければ意味がありません。
定期的にエンドトキシンや細菌を測定して、測定値が感度以下である事を常に確認していくには、それなりのコストがかかります。

でも、現在ほとんどの施設で使われている膜は、高性能膜であり、逆ろ過を起こしてしまい透析液が体内に入ってきますので、オンラインHDFやるやらないにかかわらず透析液の清浄化は必須であると思います。

もう一つのデメリットは、通常透析では必要ない輸液ポンプが必要だという事です。
ポンプ代は透析装置一台に付き数十万円かかりますので、負担は相当な額になります。

そして、患者さん側のデメリットは、オンラインHDFが保険で適応されていない治療であることです。
自分がやっている治療が、保険で認められていない治療だと言うことは、患者さんにとって不安であることは間違いないと思います。

尚、オンラインHDFは保険で適応されない治療ですが、かかる費用については全て当院で負担しており、患者さんの負担となることは一切ありません。
患者さんに費用を請求することは、混合診療となり、法律で禁止されています。

じゃあ、何でそんな治療を積極的にやるのかというと、いろいろとクリニック側にもメリットがあります。

いつも患者さんたちの具合が悪く、透析が終わっても帰れない患者さんがいるようでは、スタッフの仕事は大変です。
でも、オンラインHDFを行うことで、患者さんが元気になり、透析中の状態悪化も少なくなることで、スタッフの負担が少なくなります。

そして、もう一つの大きなメリットとして、包括化されているエリスロポエチンの使用量が少なくなる事があります。
当院でも、転院後に使用しているエリスロポエチンの量が半分くらいに減っています。
これは、コスト的にはかなり大きな事です。

でも、一番のメリットは、医師もスタッフも患者さんも、みんなが前向きに治療を行えると言うことが一番メリットだと思います。
この治療をやることで、患者さんたちはとても元気になっていきます。
それが目の前で実感できます。
とてもすごいことです。

2009.07.02
診療
研究
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その他(医療関連)

学習講演会11

それでは、オンラインHDFはどの様な方に効果が有るのでしょうか。

基本的には、HDFの濾過量を増やしたものと一緒です。
通常のHDFを強化したのがオンラインHDFなのです。

HDFには、先に点滴を入れてからダイアライザーを通す前希釈と、ダイアライザーを通してから点滴を入れる後希釈が有ります。

薄めてからろ過する前希釈よりもろ過をしてから点滴を入れる後希釈の方が、効率はいいです。
でも、いくら何でも後希釈の場合にはろ過できる量が決まってきます。
それで、ろ過する量がそれほど多くないボトル型のHDFを後希釈で行うのが一般的です。

オンラインHDFの場合は、どちらでもいいのですが、当院ではろ過の効率は悪くなるものの、大量にろ過できる前希釈オンラインHDFを採用しています。

スライドに示しましたが、HDFを行うと、透析アミロイドの原因となるβ2MGが下がり骨・関節痛などが改善することが良く強調されます。

ただ、当院には長期の患者さんがおりませんので、アミロイド症の改善効果についてはよく分からないと事があります。

以前に、通常のHDを行う透析施設で働いていたスタッフが言うことは、当院で透析を受けている患者さんたちは、透析が終わると、来たときと同じようにすたすたと帰っていくとよく言います。
オンラインHDFの”透析後、疲れにくい”と言う効果かなと思います。

それから、皮膚のかゆみが減る事は明らかで、当院ではほとんどの患者さんが痒みを訴えません。

実は、最近転院してきた患者さんで、かゆみを強く訴える方がいらっしゃり、転院後すぐに通常のHDFを行ったのですが、全くかゆみが取れませんでした。
それで、オンラインHDFに変えたところ、すぐにかゆみを訴えなくなりました。
効果が劇的にありビックリしました。
通常は、オンラインHDFにしてもかゆみが取れるまでに2週間から1ヵ月くらいはかかるのですが、その方は劇的に改善しました。

以上がオンラインHDFの効果です。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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