避難訓練
昨日、援腎会すずきクリニックでは避難訓練を行いました。
これは消防法で定められたものです。
2階の透析室にある救助袋を用いて避難する訓練です。
救助袋は、透析室カウンターの前にあり、幅1mくらい有りそうで、とても存在感があります。
いつもは、じゃまな存在ですが、災害時に役立てられるように置いてあります。
クリニックには正面と後ろに広く緩やかな階段が有りますので、両方で火災が同時に発生し、逃げられなくなったなどの状況が無ければ、使う必要は無いものです。
しかも、病人が逃げるには適してないようです。
こういう建物の場合、このようなものを置かなければならないという規則のため置いて有るという感じです。
もの自体もとても高価で、作る会社も決まっているのではないでしょうか。
実情に合わせていただけると助かるのですが。
でも、まさかの時のために、年1回の訓練は必要です。
スタッフが、この箱を空けて、
実際に袋状のトンネルを伝わっておりる訓練を行いました。
トンネルは垂直に1階まで下がりますので、ちょっと怖い気がします。
でも、袋の構造から、ゆっくりしか進まないので、安全におりられるようです。
高所恐怖症の僕は、ちょっと遠慮させて貰いました。
年に1回は、この救助袋からの避難訓練を行う予定です。
来年も9月の初めの同じ時期に行う予定です。
東北腎不全研究会に参加してきました。
昨日、本日と、第36回東北腎不全研究会に参加してきました。
東北6県と新潟県の透析施設が集まって、年1回行っている研究会です。
今回は仙台で行われたため、第76回北海道透析療法学会との合同学術集会でした。
北海道の透析の透析レベルはとても高く、素晴らしい成績を発表している施設がいくつも有りました。
東北も負けてはいられないと感じました。
当院のホームページでも紹介している山形県の矢吹病院がも素晴らしい発表を出していました。
当院もレベルの高い透析を行いたいと言う気持ちが高まった学会でした。
また、『しっかり透析』の仙台社会保険病院、鈴木一之先生が、
〝血流量をもっと上げよう~日本透析医学会の統計調査結果の解析から〟
と、
〝透析時間をもっと延ばそう~日本透析医学会の統計調査結果の解析から2 〟
と、発表をしていました。
しっかり透析についての発表を続けて聞くことが出来ましたので、これからの診療に役立てて行きたいと考えています。
展示場では、インフルエンザの患者さんの透析を行うクリーンブースが展示されていました。
ブース内は陰圧になっているため、患者さんが排出したウイルスはフィルターを通り外部に出て、外部にウイルスが出ない仕組みだそうです。
枕元に有るのは、換えのフィルターだと思います。
その上の方に、ファン付きのフィルターがあります。ブース内の空気はそのフィルターを通ってブース外に出る仕組みです。
懇親会も盛大で、懇親会後は米沢の某大先輩に連れられ、久しぶりに天下一品ラーメンを体験しました。
お酒を飲んだ後のラーメンにしては重すぎる一品でした。
僕は、ハーフラーメン、これは大学の先輩が頼んだあっさりラーメンです。
透析者の栄養障害
透析は、長期間の体力勝負です。
短時間透析などの〝足りない〟透析を行っていると、リンなどのデータが簡単に悪くなります。
この状態でデータを悪くしないようにするには、食事制限を厳重にする=食事量を減らすと言うことになります。
そうすると、どんどん痩せていくのです。
だから、〝しっかり透析〟を行って、食事はたくさん食べる事が大切なのです。
でも、全ての患者さんが十分な食事が取れる訳ではありません。
糖尿病による消化管の障害などで、消化吸収の障害がある方では、なかなか十分な栄養摂取が難しいです。
この場合は、安易に透析時間を短くしたり、膜を変えたりして透析量を落とすことは勧められません。
透析中に高カロリー輸液+腎不全用アミノ酸製剤を点滴するIDPN(intradialytic parenteral nutrition) と言う方法が良いと言われています。
この方法は、
①蛋白あるいはエネルギーの栄養不良の証拠がある場合、あるいは食事中の蛋白あるいはエネルギー摂取不良の証拠が有る場合
②食事としてのサプリメントやチューブ補給などの経口栄養に耐えられない場合
③経口あるいは経腸栄養とIDPNの組み合わせが個人の栄養の必要性に合致する場合
の3つの基準を満たす時に推奨されています。
一般的には、
50%ブドウ糖 200 mL あるいは70%ブドウ糖 350 mL
+キドミン 200 mL あるいは ネオアミユー 200 mL
を点滴しますので、400-1000kcalくらいのエネルギー摂取とアミノ酸の摂取が出来ます。
経鼻チューブなどを必要とせず、透析中に透析のラインにつないで点滴するだけなので、そのための手間が要らないことがメリットです。
しかし、IDPNだけでは1日の必要エネルギーを満たす事が出来ないこと、経口摂取を増やす動機づけにならないこと、そしてブドウ糖や糖尿病の時に付加するインスリンを請求できないなどの経済的な難点も有ります。
透析者の栄養状態を改善することはとても大切です。
IDPNが保険で認められることを期待します。
糖尿病療養指導士会講習会
昨日、2009年第3回糖尿病療養指導士会講習会に参加してきました。
以前も書きましたが、6、7,8月の最終日曜日に一日かけて講習会を受けます。
糖尿病の勉強ってこんなに奥が深いんだというのが、実感でした。
でも、みっちり毎回5時間の講義は疲れました。
10月には、福島県の糖尿病療養指導士の試験が有るのですが、まあ今回は講習だけで十分と考えていました。
でも、帰りに知り合いの講師の先生方に、『必ず試験を受けるように』と声をかけられてしまいましたので、もう少し勉強しなければいけないかもしれません。
インフルエンザ対策のお知らせ
連日、新型インフルエンザのニュースが盛んに報道されており、かなり蔓延した状態になっている様です。
当院でも、重症化しやすいと言われる腎臓病の方が治療を受けられています。
透析の患者様は、院内に入るとすぐに透析入り口から2階の透析室に向かうことになりますが、レントゲンや検査を受けるために1階で待っていただくこともあります。
そのため、発熱のある方、咳や喉の痛みなどのインフルエンザが疑われるような症状のある方は、入り口にあるブザーで職員をお呼びください。
マスクをかけていただき、職員が誘導いたします。
よろしくお願いいたします。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。