高透析量・大量置換オンラインHDFでの栄養状態の検討2
p>
調査対象とした患者さんは、当院転院後オンラインHDFを開始 して10ヵ月以上経過した16名です。
性別は、男性が多く、年齢は、平均63.5歳と全国平均と変わらないのですが、当院では原疾患が糖尿病の方が多く、62.5%の方が糖尿病による腎不全でした。
透析導入後当院に紹介となり転院してくる方が多いので、透析歴は平均で4年弱でしたが、10年以上の方もいらっしゃいます。
透析時間は、オンラインHDF開始直前が3.97時間で、10ヶ月後には4.43時間となっています。
3時間や3.5時間透析は導入して間もない頃には行いますが、数ヶ月後には少なくとも4時間の透析をする必要があります。
オンラインHDFを開始する時点で、5時間透析の方は1名でしたが、10ヶ月後には7名に増え、4.5時間の方も1名から5名に増加しています。
この差は非常に大きいと思っています。
血流も10ヶ月後には、233ml/minから289ml/minまで増加しています。
今回評価した項目は、
透析量としてKT/V
栄養状態としてAlb、ドライウェイト、GNRI
を用いました。
GNRI につきましては、これまでも書きましたが高齢者を対象とした栄養スクリーニング評価です。
体重とアルブミンだけで算出出来ますので、全体の中で栄養状態が悪化している可能性がある人をピックアップするためには有用です。
次回は結果について書きたいと思います。
もしかして、グルメになったらごめんなさい。
高透析量・大量置換オンラインHDFでの栄養状態の検討1
昨日日曜日に、家族みんなで映画を見に行きました。
『カールじいさんの空飛ぶ家』です。
郡山テアトルに開始40分前に行ったのですが、もうすでに長蛇の列となっていました。
でも、とても感動的な映画でした。
いつも仮面ライダーとかばかり見に来ていましたが、これからはこういう映画も見に来たいねと話して帰りました。
さて、
昨年末の福島腎不全研究会で演題を2題発表したことを書きました。
一つは記事としましたが、もう一つをまだ書いていませんでしたので、今回からもう一つの演題である、
『高透析量・大量置換オンラインHDFでの栄養状態の検討』
について記事にしたいと思います。
研究の目的です。
援腎会すずきクリニックでは、以下の治療方針で透析治療を行っています。
透析液の清浄化
透析時間の延長(5時間透析を目指す)
血流量の増加(可能な場合は300ml/分)
オンライン前希釈血液濾過透析(12リットル/hr)
これまでも書いていますが、これらのことを行うことで透析量を増加させ、透析者の生命予後改善を目指しています。
ところが、高透析量の透析を行うことは、栄養状態を悪化させてしまい、生命予後を悪くする恐れがあるとも指摘されています。
当院で行っている高透析量のオンラインHDFが栄養状態を悪化させていないかについて検討しました。
今日はちょっと性病の話
援腎会すずきクリニックは泌尿器科ですので、性行為を介して感染する性感染症(STD)で受診する患者さんも時々いらっしゃいます。
男性STDの80%以上が尿道炎で、その大部分がクラミジア尿道炎か淋菌性尿道炎となります。
しかも、両方とも同時にかかる場合もあります。
淋菌性尿道炎は、性行為後4日前後で発症することが多く、排尿時痛と黄色い膿が出てきたという訴えで受診される方が多いです。
尿検査を行うと、白血球が増加し、球菌が確認されます。
1回の性交渉で感染する可能性は30%くらいだそうです。
クラミジア尿道炎は、性行為後10日から2週間後に発症することが多く、排尿時痛などの症状は弱く、尿道分泌物は水っぽく少量です。淋菌性尿道炎と同様に検尿で白血球が増加します。
クラミジアの場合は、感染しても自覚症状に乏しく、80%が無症状と言われており、無症状の感染者が感染源となって感染が拡大しています。
クラミジア感染患者の大部分が10代から20代の若者だと言われており、本邦の高校生での感染率は11.4%で欧米よりも高率になっていると報告されています。
クラミジア及び淋菌感染が持続していると難治性不妊症が起こる可能性がありますので、少しでも症状があり可能性が考えられる場合は、泌尿器科を受診してきちんと検査を受けた方が良いでしょう。
検査方法は、以前は尿道に綿棒を挿入し尿道分泌物を採取して検査を行っていましたが、現在では初尿で検査が可能となっています。尿検査だけで分かりますので、心配されないようにしてください。
ただ、パートナーが感染しているときに保菌者かどうか調べる場合は、尿道分泌物を採取する必要がありますので、ご了承下さい。
検査で陽性の場合は、適切な抗生物質を飲むことで完治可能です。
多少の症状なら我慢してしまおうと考えず、きちんと泌尿器科を受診することをお勧めいたします。
箱根駅伝
2日土曜日の透析後、埼玉の実家に帰省してきました。
2日の午前中は、クリニックで箱根駅伝を見て東洋大の柏原くんを応援していましたし、3日の午前中も実家で駅伝の復路を家族で見ていました。
今年の正月は、駅伝鑑賞で終わった様な感じです。
復路では、駒澤大学が頑張り総合2位に入り復路優勝しました。
その時、素朴な疑問がわきました。
今までの箱根駅伝で、往路優勝も復路優勝もしなくて総合優勝をしたことがあるのかなと。
ネットで調べたのですが、そのようなことが書いてあるページが見つからず、気になったので、これまで行われた駅伝の優勝記録86回分を数えてみました。
86回で、往路も復路も優勝した完全優勝が37回あり、そして往路も復路も優勝せずに総合優勝した大学は5大学でした。
最近では、4年前に往路順天堂大学優勝、復路法政大学優勝で、総合優勝が亜細亜亜大学というのがありました。
往路優勝したチームと復路優勝したチームのどちらが総合優勝しているかどうかは、往路優勝して総合優勝した大学が58大学、復路優勝して総合優勝した大学が59大学で、どちらかで勝つと有利というのは無いようです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
話は変わりますが、麻布に行った弟夫婦がお土産として買ってきてくれたケーキが美味しくて美味しくて。
その中の一つですが、
虎を形取ったエクレアで、中がビターなチョコレート。表面はカスタードクリームです。
やっぱり東京で売っているものはしゃれていますね。
『血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討』6
血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討の最後になりました。
日本人患者サンプルと当院の患者さん達の項目別の比較です。
達成された治療指標項目数の割合です。
我ながら、この結果にはとても満足しています。
でも、当院が特別すごい治療を行っているとは考えていません。 全国には尊敬に値するような治療を行っている施設がたくさんあります。
たくさんの患者さんに長時間透析を行っている施設や、週4回とか隔日透析を行っている施設。
長時間と回数を増やす透析を行い、しかも血流も上げてさらに透析量を増やしている施設が有り、実際に成績を比べたら、とても足下にも及ばないと思います。
血流を上げるのは容易いですが、時間を延ばすことを納得してもらうことはとても大変です。
当院でもやっと4.38時間です。 ただ、オンラインHDFを行っているからかもしれませんが、血流も上げた透析を行っていると4時間半でもとても調子が良いと言ってくれる方が多いです。
全ての患者さんがオンラインHDFを受けたり、 6時間透析を行えれば素晴らしいのでしょうが、施設の事情もありそうも行きません。
ただ、30分でも15分でも時間を延ばすこと、そして徐々に血流を上げることはそれほど難しい事ではないと思います。
それだけで、10年後、20年後に体長良く過ごせている可能性は高くなります。
すこしでも『しっかり透析』を目指しましょう。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。