最近の駐車場
いつもは暇な援腎会すずきクリニックでも、時々外来が混んでいる時があります。
先日、車が止められなかったこそうです。
そんなに混んでないのだけどと思いつつ。。。
今日の午前中のある時間の駐車場です。
この時、待合室で待っている患者さんはお一人だけでした。
検尿も出来ていなかったので、院長の役目はこの状況を撮影するくらい。
なせかって?
透析で通院中の方で、車で来院している方もたくさんおられます。また、10名以上のスタッフが駐車場に停めています。
駐車場が混んでいても、実は空いている可能性が高いです。
本日来院した患者さまも、先日車がたくさんあり帰ったと仰っていました。
今日は混んでいるのでまたにしようと思わず、ちょっと待合室の混み具合を覗いてみてください。
医療機関の信頼感
中央調査社と言う世論調査の会社が最近発表した「議員、官僚、大企業、警察等の信頼感」調査と言うものがあります。
http://www.crs.or.jp/pdf/trust09.pdf
昨年12月に、無作為に選んだ全国の20歳以上 の男女1,258人に対し、国会議員、官僚、裁判官、マスコミ、銀行、大企業、医療機関、警察、自衛隊、教師への信頼感について意識調査を行ったそうです。
平均評点が高かったのは、医療機関と裁判官、自衛官で、医療機関に対する評点は2004年に低下(平均評価2.9)したが、2007年調査以降、上昇傾向が続いているとのことです。
医療機関に対し、大変信頼できる、信頼できると52.5%もの方が信頼されている現状に、有りがたいと言う考えとほっとする考えです。
官僚や国会議員が低いのは分かっていましたが、マスコミ・報道機関への信頼度が、大変信頼できる、信頼できると17.2%だということは意外でした。
医療機関で不幸な事故が起こったときのマスコミの報道を聞くと、とても自信あり、断定的な報道を行うことが多いです。
『有ってはならないこと』などと書き立てます。
医師や医療機関が責められて当然の事例も有ります。
しかし、もう一度冷静になってなぜそうなったかを考えた方がいい場合も多いようです。
最近では、用語が間違っていたり、全くトンチンカンな内容の記事だったりすることも時々見かけます。
マスコミ・報道機関への信頼度が低いと言うことは、一般の方が冷静になってマスコミの報道を見ていると言うことだと思います。
ちょっと安心しました。
透析の仕組みとオンラインHDF6
ろ過透析は前希釈法と後希釈法があり、大量置換ができるのは前希釈法だけです。
オンラインHDFでは、前希釈も後希釈もどちらも可能ですが、ボトル型のHDFでは後希釈法のみ可能です。
そのような観点からすると、オンラインHDFはHDFを強化したものと考えられます。
その効果は、
1.透析後のだるさが減る。
2.透析アミロイド症の症状が改善される。
3.皮膚のかゆみが少なくなる。
4.貧血が改善する。
5.皮膚の色素沈着が良くなる。
などの効果がこれまでにも報告されてきていますし、我々も実感してきています。
デメリットとしては、ほとんどが施設側のものになります。
オンラインHDFを行うためには、透析液を全くの無菌状態に管理しなくてはならず、さらにそのような状態になっているかを確認する必要が有ります。
そして、通常の透析では必要がないポンプを用意しなければなりません。ポンプも毎分200mlくらいの透析液を流すポンプですので、一般的なものとは違いかなり高額です。
良い治療であるが、その分コストもかかる治療だということです。
でも、患者さんの状態が良くなります。
状態が良くなると、包括化されたエリスロポエチンの量が減ります。
そして、限定した患者さん以外にもHDFを行うことができますので、透析困難症が生じたときにHDFの機械が空いていないからできないと言うことは有りません。
と言うより、常に全ての人に対して透析困難症が生じにくい治療法が選択できると言うメリットはとても大きいと感じています。
新年度になりました。
4月1日です。
今日から新年度になりました。
援腎会すずきクリニック透析室も、本日より臨床工学士2名と看護師1名の新しい常勤のスタッフが加わります。
昨年年末からの透析患者さまの増加に、透析スタッフの増員が間に合わす、ご不便をかけたかと思いますが、今後はさらに充実した体制で患者さまを迎えられるように努力していきたいです。
さらに、今月から、常勤では有りませんが放射線技師さんも診療に参加してもらえることとなりました。
主に、透析患者さまのレントゲン撮影を担当してもらいます。
4月は診療報酬の改訂があり、患者さまの目に見える所と、目に見えない所で、いくつかの変更点が有りました。
診療の内容はこれまで通り、しっかりしたものを提供していきますので、これからもよろしくお願いいたします。
透析の仕組みとオンラインHDF5
オンラインHDF(ろ過透析)とは、ろ過透析で使用する点滴を透析液で代用する方法です。
最近では、逆ろ過が起こりやすい透析膜が主流となっており、オンラインHDFを行わなくても、透析液自体が体内に入って気安くなっています。
そのため、透析液は徹底してクリーンにしなければなりません。
当院では、東レ社製のトータルクリーン化システムというシステムを用いて、細菌やエンドトキシンが測定感度以下となった純粋を使用して透析液を作っています。
この様に無菌状態の透析液の一部をろ過に使用するのがオンラインHDFです。この方法の利点は、48−60リットル(4−5時間透析)の透析液を点滴として使用する大量置換が可能なことです。
通常のHDFですと、サブラットという2リットルの決められた液を使いますので、保険の関係から置換液量は10リットルまでですので、大量置換はできません。
一般に、少量置換では後希釈法、大量置換は前希釈法を用いてろ過透析を行います。
両方にそれぞれメリットが有りますが、両方の希釈法が行えるのはオンラインHDFだけです。
前希釈オンラインHDFの模式図です。
まず、透析液の一部が補液として血液中に入ります。
透析膜(ダイアライザー)では、透析中に行う除水と透析液の一部から回った補液が中空糸から漏出し、中空糸の周りを流れる透析液と共に排液されます。
つまり、サブラットを使用するボトル型のHDFでは、その分の除水を多くする必要が出てきてしまうのに対し、オンラインHDFでは、入り口と出口での差は、除水分だけになります。
これが、オンラインHDFが通常のHDFに比べ密封系で安全だという理由です。
以上がオンラインHDFの仕組みです。
この方法のメリットは、
1,密封系でボトル型HDFよりも安全である。
2,ボトル型HDFで行えない大量置換のHDFを可能である。
3,サブラットを使用しないため、安価にHDFが行える。
と言うことです。
次回は、その効果について書きたいと思います。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。