2013.05.07
生活 / くらし

危ないアドバイザー

http://www.city.date.fukushima.jp/kouhou/pdf-fukkou/fukkou1.pdf

伊達市の放射線アドバイザーの方が広報に書いた記事をインターネットで見て驚きました。

この方の記載を見ると、最大で1キログラム当たり千ベクレルの放射性セシウムを検出したタラの芽をたくさん食べたなど、基準値の数十倍以上の食品を食べる事を推奨するような事を書いています。

基準値を超える食品を食べても大丈夫と言う事自体有り得ないのですが、百歩譲って大人でしたら、そのようなものを食べても問題無いかもしれません。
でも、子供でも本当に心配無いのでしょうか。

南相馬で活動している東京大学医科学研究所の坪倉正治先生が行ったホールボディカウンターの結果から、ほとんどの方は内部被曝の量が感度以下であるが、一部の高齢者を中心に高い内部被ばく量の人がいることが分かっています。
しかも、内部被曝が問題となるのは、どこか線量の高い「地域単位」ではなく、同じ食事を食べている「家族単位」だとアピタルの内部被曝通信に記載しています。

http://apital.asahi.com/article/fukushima/2012111500048.html

つまり、1キログラム当たり千ベクレルの放射性セシウムを検出したタラの芽を食べる方が家族にいれば、一緒に住んでいる子供達も内部被曝するリスクが高くなるのです。

少なくても、伊達市の様な福島県内でも汚染度が高く、しかも元々地元の食材を食べる方が多い場所のアドバイザーの発言としては不適切としか言いようがないと思います。

福島県はある程度汚染されています。
ただ、少しだけ気を付ければ十分に生活できます。
リスクを少なくさせる生活の仕方もあるはずです。
にもかかわらず、大丈夫だ大丈夫だとだけ言うことは、これまでのSpeedyや『直ちに危険はない』発言などの経験から、全く信用されません。

住民は裏切られ続けて来ました。
ですから、もっと謙虚に発言して欲しいと思います。

2013.05.02
診療
研究

GAMBROの温故知新

GAMBROと言う透析メーカーが、“温故知新”と言う小冊子を出しています。
たまたま、AN69膜が誕生して40周年の記念誌を読みました。

神戸にある坂井瑠美クリニックの坂井瑠美先生の記載が素晴らしかったです。
坂井先生は、40年前から透析医療に従事している我々の大先輩で、隔日透析、オーバーナイト透析、在宅透析など、常に時代をリードした治療を行っていてる先生です。

坂井先生の文章には、たいへん重みのある言葉がいくつも書かれていました。
印象に残った文章を転記してみました。

透析中の血圧低下やショック、下肢のつりなどが起こらない透析には、膜の選択もさることながら、私は“時間が必要”だと思っている。

40年以上も透析にかかわって以下の事だけは確信出来る。即ち、
高血圧、貧血、意欲低下、集中力の低下、痒み、皮膚の色素沈着、骨、関節の痛み、Restless Legs syndrome、四肢の不随運動、ピクツキ、発汗異常、胃腸の運動障害、口腔乾燥、味覚異常、食欲低下、口臭、不眠、痩せ・・・等々は、全て尿毒症の症状であり、透析不足で出現する

1日24時間、週168時間働いている「腎臓」の肩代わりを、たった12時間の透析では、生命維持のためらならともかく、症状をとることは不可能であると私は考える。

最近は、透析患者の痒みに対しての新薬が出て、患者の大いなる福音になっている様だが、「1カプセルがダイアライザーの購入価より高い!」のをご存知であろうか。

良い膜で、時間、回数を駆使すれば、元気で健常人の平均寿命に近づくとも思っている。

私が今まで「一番感動した」のは、岩見沢クリニックの千葉栄市先生が、新たに透析室を作られたことである。6時間、6時間、6時間、3時間の週4回の透析を、今いる全ての患者さん(120〜130人)に実践する為だけに20床も増築されたのである。

“もし自分が、また、大切な人が、腎不全になったらどんな透析を望むのであろうか?”“もう少し自由度のある透析をして欲しい”と願うに違いない。
あなたが透析患者になったら、通常“当たりまえだと考えられていること”が、今多くの施設では許されないのである。透析治療は“週3回4時間”でせねばならないと言う呪縛から医療スタッフが解放されてはじめて、“患者との人間関係はよくなる”と思う。

ゴールデンウィーク後半初日から堅い記事となりましたが、援腎会すずきクリニックも同じ気持ちを持って頑張って行きたいと考えております。

2013.05.02
診療
仕事 / 職場
生活 / くらし

増築工事7

昨日とうとう増築部分を被っていたシートが外され、個室透析センターの全貌が見えるようになりました。
外観は既存棟と同じ色合いで同一施設であることを印象づける感じです。
入口部分の雨よけの先は将来非常用発電機を設置する予定です。

昨日は、午後の空いている時間にスタッフと共に新棟の内部を見せてもらいました。

透析室の天井部分に断熱材が敷き詰められていました。
見るたびに完成が待ち遠しくなります。

玄関の入口には、小さな侵入者の足跡が残っていました。
小さな侵入者はご愛敬ですが、泥棒さんは御免被りたいですね。

明日からゴールデンウィーク後半が始まります。
今日もやや寒かったです。
まだまだ、気温の変動が激しい時期のようです。
お身体に気を付けてください。

2013.05.02
診療
仕事 / 職場

昨日の出来事

郡山の看護学校在学中に当院でバイトを続け、進学のため東京の看護学校に通学していた橫田君が、看護師試験合格の報告のため遊びに来てくれました。
東京では日中准看護師として働き、夜間看護学校に通っていました。
もちろん職場は透析室です。
将来は透析のエキスパートナースを目指すそうです。

2013.04.29
診療
研究

デジタルポスター

第101回日本泌尿器科学会総会に参加し、デジタルポスターで発表してきました。
これまで、学会の発表は口演とポスターで行われていましたが、今回は口演とデジタルポスターという形で行われました。

まず、発表者はインターネットで事前に閲覧用の15枚と発表用の6枚のスライドをPowerPointデータとして登録します。
そして、参加者は学会場にある多数のパソコンからいつでも閲覧出来る状態になっています。

これは僕の発表した観覧用のスライドです。

発表当日は、発表用のスライドを使って、口演と同じように発表します。
口演と違うのは発表するスライドの枚数が少なく、時間も短いことです。
質疑応答も口演と同じようにあります。

デジタルポスター初体験の感想

メリット
3日間のポスターセッションの発表1000題以上をパソコンを使うことで一度に観覧出来る

デメリット
締め切りが1ヶ月まで直前の修正が効かない
ポスターだと発表直後に演者に声をかけ、いろいろな質問が出来るが、口演と同じスタイルなので難しくなる

などです。
今後は、発表スペース等の関係からデジタルポスターは増えていくのかもしれませんね。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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