2011.04.06
診療
仕事 / 職場

今週は忙しいです。

4月になり数日が経過しました。
通常の診療を再開してから泌尿器科の患者さんも徐々に増え、以前と同じくらい外来が混雑しています。

月が変わりましたので、今週はレセプトが有ります。
診療するとその代金である診療報酬の一部を患者さんから頂きますが、7割から9割は次の月10日までに健康保険組合などの保険者に請求する事になっています。
そこで、検査や出した薬についての病名がきちんと付いていないと、保険者から診療報酬がもらえません。
行った医療行為についてきちんとした病名が付いているかを確認するのが、いわゆる〝レセプト点検〟です。

当院の事務職員も残業して対応します。
もちろん、院長も昼休みや残業して病名もれがないかチェックしています。
当院では、診療が終わるまでに行った医療行為についてきちんと病名をつけているのですが、それでも漏れている病名や、病気が治った病名を減らす作業など、毎月月初めは大変です。

それだけではありません。
昨日は、定期レントゲン検査が有りました。
火木土の患者さんたちはお年寄りが多いです。
皆さんのレントゲン写真を眺めたのですが、心胸比が大きくなっている方が多く、ドライウエイトを下げた方も数名いました。

やはり、震災で食べられない日が続いたんだと実感しました。
透析時間も3時間しか出来ない時期もありました。
思う存分透析して下さいと院長は考えております。
(いや、俺は3時間のままの方が良いと言う人も若干おりますが、その方たちのご意見は聞かなかった事にしています。)

今週は、たまたま月初めの採血も予定されていました。
もうそろそろ検査結果が出始めてきましたが、まだ結果のチェックまではおこなっていません。
そして、当院では栄養指導を毎月行っていますので、その指示箋を書くのもスタッフから頼まれています。

以上、こまごまとした仕事ですが、しっかり透析を行っていくためには必要な仕事です。
だんだん以前あった診療の姿に戻ってきているのがうれしいです。

このブログもそろそろ、震災や原発の話から一般診療の話に戻しても良いかと思っています。
まあ、心配は続いていますが、きりがありませんので。

2011.04.03
診療

福島が安全かどうかについて

前の記事で福島の現状について書きました。
それで、実際どのくらい安全であるかどうか、僕個人の意見を書きたいと思います。

4月2日18時での福島県の環境放射能測定値です。
郡山市で2.27マイクロシーベルト/時間となっています。
この数値自体はそれほど高く無いと思います。
表の下に書かれているのが、
  
※ 胃のX線集団検診1回当たりの放射線量は、600マイクロシーベルト/回ですが、本日の測定値のうち、最も高い飯舘村の測定値は、これを十分下回っており、健康に影響ないレベルと考えられます。

と書いて有るのですが、本当だろうかと言う疑問があります。

というのは、胃のレントゲンは1回しか放射線を浴びません。
しかし、ここ数日放射線量は落ち着いてきており、2マイクロシーベルトくらいになっています。
と言うことは、郡山で1時間当たり2マイクロシーベルトとしても、1日24時間では48マイクロシーベルトとなります。
1ヵ月この状態が続けば1440マイクロシーベルトになります。
すでに胃のレントゲン2回以上になっています。
比較は無意味です。

実際に原発事故発生からこれまでの累積放射線量を調べたグラフがあります。

観察された放射線量の生データより累積放射線量を算出しています。


http://expres.umin.jp/fukushima/0401.pdf

飯舘村で6000マイクロシーベルト弱、福島市で3000マイクロシーベルト弱となっています。
郡山市は途中で測定地点を3階から1階に変更しているのであてになりません。

実際には、ほとんどの人が屋内にいるのでこの数値より1/4から1/10くらいになる様です。
ただ、この数値は外部被曝より危険ともされる内部被曝は考慮されていません。

いろいろな専門家の話を聞くと、現状はそれほど大変な状況では無いようです。しかも、最初から40才以上の放射線の影響はほとんど無いと聞いています。
当院を受診するじいちゃん、ばあちゃんが時々心配していますが、全く問題ないと話しています。

僕が最も心配なのは子供たちです。
我が家の息子もまだ小学生や幼児です。

現状は、避難させる必要は無いと考えていますが、この子たちにとって今の放射線量が多すぎないかという疑問はあります。

ですので、僕は外出時にマスクはしませんが、子供たちにはさせています。
水道水も飲ませないようにしています。
極力内部被爆を少なくさせています。
もう少しで学校が始まりますが、当分の間は校庭で遊ばせるのは控えて欲しいと思っています。

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やっぱり福島は危ないのではと思うかもしれませんが、心配なのは子供たちだけで、福島県に物を運ぶ業者の人が子供のはずないです。
しかも、一時的に放射線量が多かった時期は過ぎています。
気をつけるところは気をつけて、後は過度の心配をしない方が良いというのが僕の意見となります。

それから、表を見るとわかりますが、郡山や福島より原発に近く危ないと言われている相馬やいわきの方がよっぽど放射線量は少ないです。

これは僕個人の意見ですので参考程度にお願いします。

2011.04.03
生活 / くらし
趣味

「I love you & I need you ふくしま」

猪苗代湖ズというバンドが唄っている「I love you & I need you ふくしま」と言う曲をyouTubeで聞きました。

http://www.youtube.com/watch?v=3CQJuAN2BEY

 

松田晋二(THE BACK HORN 福島県東白川郡塙町)
山口隆(サンボマスター 福島県会津若松市)
渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET 福島県双葉郡富岡町)
箭内道彦(風とロック 福島県郡山市)

以上の方たちが昨年9月に作ったバンドだそうです。
ホームページも有ります。

http://www.inawashirokos.jp/

 

この曲の収益の全額が福島県災害対策本部に寄付されるそうです。
聞いているととても元気が出そうです。
ご興味が有りましたら一度聞いてみて下さいね。

2011.04.02
生活 / くらし

福島県民の持つ「捨てられた感、裏切られた感」を払拭すべき!

原発に近い地域の現状が書かれている書き込みを紹介いたします。

http://expres.umin.jp/fukushima/yoshino.pdf

 

郡山は比較的安全と考えられていますが、ガイガーカウンター(放射線量測定装置)を持つメーカーさんもいるようです。

僕が思うに、あまりにも政府がダブルスタンダードなんですよね。

だって、30km以上離れていれば心配は無いと言いながら、いわきや相馬に行くことを拒絶している人に対しての対応が無いです。
メーカーでも福島県は入るなとか、ガイガーカウンターでいくつ以上の数値で退避しろとか(我々の生活にとってはとても低い数値)しているみたいです。

原発事故直後はマスクをして歩いている人が多かったですが、今は少なくなった様です。
たまに外に布団を干している家を見ますが、それはちょっと無防備過ぎなのではと思いますが、東京の人が感じるほどぴりぴりしていません。

政府が安全だと言い切るなら、そこに行かない会社の許認可を取り消すぐらいしてくれないと、現地の人間は納得出来ないと思います。

ご興味がありましたら投稿をご覧になってみてください。

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吉野ゆりえさんの地震医療ネットへの投稿

*吉野ゆりえさんから許可を頂いて pdf 化いたしました。転送は自由に行って 頂いて結構です。(地震医療ネット事務局)

福島県民の持つ「捨てられた感、裏切られた感」を払拭すべき!
皆様、いつも大変お世話になり、ありがとうございます。 肉腫患者の吉野ゆりえです。

実は、ある官僚の方から、福島県双葉郡の方々の生の声を聞きたい、とのご 連絡がありました。
私は福島の出身ではないのですが、かなりご縁があって、福島の地元のメデ ィアに出演させていただいたり、知り合いもたくさんいます。
第二の故郷といったところでしょうか。

そこで、福島の地元のメディアの方に連絡を取らせていただきました。 すると、以下のようなことを伺うことができました。

これは皆さんもご存じでしょうが、双葉町の住民は埼玉へ、楢葉町は会津美 里へ、広野町は田村市常葉へ、浪江町と富岡町の方はバラバラに移動している とのことでした。
中には?(かなりの方が?)、「もう町へは帰れない」と覚悟を決め、ご自 分でアパートを借りている方もいらっしゃるようです。
でも、住民票を移したいけれど、行政が機能していないところもあるようで す。

その官僚の方も、いわきや相馬の情報は入るけれど、双葉の情報は無いんで すよね、とおっしゃっていましたが、もちろん退避しているので仕方がないと 思いますが・・・福島の方から「今、報道の人は福島から逃げているんだよ」 とお聞きしました。

あるテレビ局は、ディレクターが取材に行きたいと言ったら、会社から禁止 令がでたそうです。
少数いる報道関係者も、マスクに手袋をして、ガイガーカウンターをぶら下 げて、その数値を言い合ったりしていて、これが県民にはかなり反感を持たれ ているようです。
そんなことをしているから風評被害がでるんだということで、自分たちでそ の風評被害を無くしたいと、「僕たちはマスクをしないよ」とおっしゃってい ました。
ある地元メディアでは「マスク禁止令」が出ているそうです。大丈夫だとい う意志表示、精一杯の抵抗のようです。

また、医療関係者も逃げた、と思われているようです(涙) 県外からの看護チームの数を示されました。 岩手県76チーム、宮城県56チームに対して、福島県2チームだそうです。 福島県立医科大学の入学者も、放射能が理由で、入学を辞退した方がいるそ
うです。

「医療者はやはりダメだよね」と言われ、がんばってくださっている方々も ここにいらっしゃるのにと、患者ながらにとても哀しく思いました。

また、福島に物を送るにも、今は「福島料金」というものが加算されるそう です(宅急便なども)。
そして、地震の被害の大きかった浜通りには重機も入って来ないので、復旧 作業もできないそうです。
「がんばろう!なんて言われても、何をがんばればいいんだ!」と怒ってい るそうです。

「政府も報道も医療関係者も逃げた!信用できない!」と思ってらっしゃる のが、ひしひしと感じられました。

ここからは、地元の方からお話しを伺って、私の感じたことです。
「何故彼らは逃げたのか?そして、自分が逃げるなら、国が責任を持つから 私たちにも逃げろと、何故言わないのか?」と、思ってらっしゃるように思い ます。

福島県民は、双葉郡の方々は、これまで原発の恩恵に預かってきたことは、 ご自分たちも良くわかってらっしゃいます。
だから、最初は文句を言わず、我慢をしていました。

しかし、政府が逃げたこと(現在、原子力安全・保安院は原発から50km 離れた郡山に撤退)、東電の幹部もいなくなったことで、自分たちは捨てられ た、裏切られたと思うようになったのです。
早くに、この「捨てられた感、裏切られた感」を払拭しないといけないと思 います。

下記は、私の大学のクラスメートの松田公太参議院議員(みんなの党・タリ ーズ・ジャパン創業者)のブログです。
先日、彼のブログの内容がウォールストリートジャーナルに掲載されたので すが、私も全く同感です。

管総理が、現地20~30km圏内に行って指揮を取り(東電の幹部も戻り)、 出荷制限された以外の野菜を食べて(かいわれの時みたいに!?)、福島県民 に国民にデモンストレーションすべきではないでしょうか。
県民の不満も、国民の不安も、風評被害も、すべて政府がつくっていると思 います。

何もわからない一がん患者が生意気なことを言って、大変申し訳ございませ ん。
ただ、岩手も宮城も皆様方のご尽力でかなり状況が改善されてきているよう に見受けられます。
しかし福島は、震災だけでなく原発による風評被害で、環境だけでなく、心 身ともに深く傷ついています。
何とか救うことはできないものかと、心を痛めております。
吉野ゆりえ

2011.04.01
診療
仕事 / 職場

医療が出来る喜び

先週より透析時間を4時間に戻し、泌尿器科の診療を開始しました。
今週になり、透析は震災以前のスケジュールに戻し、泌尿器科診療も通常通り行いました。

今、もっとも感じることは、医療=診療が行える喜びです。

震災後は、本当はいけないですが透析自体はスタッフに任せっきりで、泌尿器科診療も行っていませんでした。

院長が何をしていたかというと、震災直後は屋上の変電器がやられていましたので、変電器の修理と新しい変電器を入手する為に方々に電話をかけていました。
震災当初はほとんど電話が通じず苦労しました。
保健所にも足をはこんで行ったり来たりでした。
当院は水道がすぐに出ましたのでラッキーでしたが、他の施設は水道で大変だったようです。

なんとか恒常的に透析が出来る様になった後、職員のガソリンがなく、通えないスタッフが出てきたので、今度は県や市の災害本部、保健所、医師会、医大働きかけ、ガソリンを手に入れる様に電話をかけまくっていました。
入れてくれると言う話を聞いて警察署に出かけていって断られたりとにかく一つのことをするのが大変でした。

他施設の患者さんを引き受けて夜間透析まで行っていたのですから、スタンドの行列に並べる様な時間もありません。
そのため、スタッフの数人はクリニックに泊まり込んだり自転車で通勤して、なんとかガソリン不足に対応してもらいました。

それと共に原発事故の問題が大きくなり、とても不安な毎日になりました。
とにかくなにも解らなかったので、情報の収集と原発の勉強をしました。
この頃は、以前ご紹介した震災のメーリングリストを見たり、透析医学会や透析医会の理事の先生、福島医大第3内科の先生方から励ましの言葉をいただき何とかこの時期を乗り切る事が出来ました。

原発の不安は有りますが、体制が整ったこともあり、今週からは通常通りの診療を開始いたしました。

透析患者さんの採血も検査会社が対応してくれますので、週初めに採血したデータをチェックして透析条件の変更を行いました。
明らかにデータが悪くなった方がいなくてほっとしました。

泌尿器科外来診療も通常通りに内視鏡など検査を再開しています。

なんだか、これまで感じたことが無かったのですが、医療が出来ると言う実感がわいていて、とてもうれしい毎日です。
原発さえ収まってくれれば最高なんですけどね。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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