2011.08.04
診療
研究
仕事 / 職場

透析クリニックが被災して 3

今回のシリーズで用意した項目です。

まずは、当院の震災時の状況について書きます。

そして、被災時は透析診療を行っておりましたので、実際に行った緊急離脱について書きます。

次は、当院の透析機器の損害と事前に行っていた震災対策を書き、さらに有用であったかの検証を行いました。

そして、震災直後のインフラがどうであったか。どの様に対応したのか。

震災直後に原発事故が発生し、ひどい目に遭いました。
今も逢っています。
原発事故による影響は書かずにいられません。

終わりに〜まとめです。

以上54枚のスライドを作成しました。

2011.08.03
診療
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透析クリニックが被災して 2

援腎会すずきクリニックは、福島県郡山市にあります。
3年前の平成20年5月に開院しています。
1Fが泌尿器科外来であり、待合室が右上の写真です。
総2階の建物で、2Fが透析室となっており、30床あります。

この建物は、耐震問題で建築基準法が改正されましたが、改正後に郡山市で初めて認可された建物で、耐震については全く問題無い建物です。
ただ、この周辺は農地であり、当院も農地転用後に建築しています。

東日本大震の概要です。

震源地は、三陸沖で、震源深さが24km
規模 はマグニチュード9.0
福島県では、白河市・須賀川市・二本松市が震度6強、福島市・郡山市が震度6弱でした。

今回の震災では、津波の被害があまりにも大きく、地震による直接の被害が話される事は少ないです。
しかし、僕の印象としては郡山・須賀川地区の被害はかなりひどいと感じていました。

実際に調べてみましたが、福島県では全壊した家屋がほぼ同じ人口の福島市が161戸であるのに対し、郡山市は1879戸と10倍以上の被害となっています。

各地の全壊棟数をみても、棟数が多い市町村が津波の被害を受けた沿岸部に集中しているのに対し、内陸部で郡山・須賀川だけ際だって色が濃くなっていることが分かると思います。

福島県では、全壊した病院が2病院となっていますが、両施設共に県中地区です。
さらに、全壊では無いですが他のいくつかの病院が立ち入り禁止となりました。
インフラの問題でなく、建物の損壊によって透析室が使用不能となった病院が3病院ありました。

郡山は地盤が固く、地震には強い土地であると多くの方が思っていいました。
今回の事でビックリした人は多かったと思います。
(もちろん僕もそうです。)

以前、ブログでも紹介しましたが、この地区は湖だったという報告がありました。
10万年前に福島県中部の内陸にあったとされる古代の湖「郡山湖」の内側で、特に家屋倒壊などの被害が大きかった

「建物の老朽化もあるが、湖と被害の大きかった範囲がぴったり一致した」

今回の地震で海岸付近では揺れによる家屋倒壊は少なかったのに対し、郡山市や須賀川市など内陸部で家屋倒壊や地盤沈下などの被害が続出。

被害が郡山湖の範囲内に集中しており、特に沼地跡の周辺や河川の跡で被害が大きかったことを突き止めた。

ビックリしましたね。
これが、先ず前提となる状況です。

2011.08.03
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透析クリニックが被災して 1

3月11日に東日本大震災が発生してクリニックに大きな被害が発生しましたが、幸運なことに電気もすぐに応急処置ができて水道も止まる事無く、なんとか透析を再開することが出来ました。

ただ、インフラが崩壊してガソリン不足が生じ、それに追い打ちをかけるように福島第一原発事故が発生しました。
震災直後の1週間はとても辛い思いをしました。

未だに福島県では放射能に脅えながら生活しなければならない状況は変わりません。
ただ、我々も前に進まないといけません。

前に進むためには、今回の震災について検証を行う必要があります。
検証後分かった事を今後の対策に生かすことが大切です。

患者輸送を含めた大きな動きについては、諸先輩方が学会等で報告してきました。
僕は、透析クリニック院長として、自施設がどの様に被災したか、そしてどの様な対応をしたのか。
さらに、今後はどの様な対策を取っていった方がいいかについて、思うままにスライドを作成しました。

このブログは多くの方見て下さっています。
5月には10万アクセスを記録しました。
ですので、僕として出来ることはブログで公開する事かなと考えました。
かなり沢山のスライドを作成しましたので、次回よりシリーズで紹介いたします。

2011.08.02
診療
研究

お勧めの本

お勧めの本をご紹介します。

患者視点の新しい透析治療―わかりやすい計画から実際の処方まで
政金 生人 (著)

愛Podで有名な山形の矢吹嶋クリニック院長の政金生人先生が透析についての本を出しました。

目次
適正透析・よい透析とはなにか
透析液清浄化の重要性
HD・HDFにおけるダイアライザの選択
MIA症候群の予防
愛Pod調査による患者愁訴のモニタリング
透析低血圧対策
かゆみ・イライラ・不眠対策
アミロイド骨関節痛対策
高齢者透析のコツ
透析プログラムの考え方
患者中心の療法選択
患者とのコミュニケーション

どのような透析が患者さんにとって優れているのか、大切なのかが書かれています。
目から鱗の内容です。

是非お勧めいたします。

2011.08.01
仕事 / 職場

大きな余震が有りました。

7月31日の深夜3時58分に福島県沖が震源のマグニチュード6.4の余震が有りました。

郡山市は震度5弱だったそうです。
前日はクリニックの暑気払いだったので、酔っぱらって寝ていましたが、さすがに強い揺れで目を覚ましました。

久しぶりの大きな揺れに驚きましたが、翌朝日曜日ですがクリニックに行ってきました。
2階透析室では、戸棚の物品の一部が落ちていましたが、大きな被害はありませんでした。
建物自体は姉歯問題で建築基準法が改正された後に作られた建物ですから、しっかりしています。

クリニックの外に出てみたところ、浄化槽脇のアスファルトがゆがんでいました。

ここは、本震の時はたいしたことが無かったのですが、4月11日の余震でダメージを受けた場所で、今回の余震でさらにダメージを受けていました。

余震の影響はまだあり、自宅近くのアスファルトの亀裂がさらに悪化していました。

亀裂が広がり、子供の靴が入るくらいになっています。

今回の地震では、県中地区の被害が大きいです。
本震では、福島市も郡山市も共に震度6弱なのですが、全壊した家屋は福島市が161戸に対し、郡山市が1879戸なんです。
人口はそれほど変わらないのですが、被害は10倍くらい違っています。
やはり、郡山湖の影響なのかもしれません。

福島第一原発事故後の放射能でによる精神的ダメージが大きい中で、大きな余震が起こるとさらにダメージが大きくなります。
もう勘弁してほしいですね。

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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