アクトスで膀胱癌?
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/kigyo_oshirase_201106_1.pdf
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が6月10日に、糖尿病治療薬であるピオグリタゾン塩酸塩製剤(アクトス錠)についてコメントが出ました。
これは、フランス医薬品庁が、ピオグリタゾンを投与した約16万人の方が投与していない約133万人に比べて、膀胱がんの発症率が有意に高いと言う結果から、新規処方をしないよう通達を出したことに関してです。
PMDAは日本国内で同剤を使用している患者さんに対し、自らの判断で服用を中止したり減量しないよう求め、主治医に相談するようにコメントしています。
アクトスはは、インスリンに対する体の感受性を高める作用からインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がる薬です。
その作用から、「インスリン抵抗性改善薬」と呼ばれています。
むくみという副作用は有りますが、現在では糖尿病治療では重要な治療薬となっています。
これまでの僕の経験では、アクトスを飲んでいる方で膀胱癌が多いと言う印象は有りませんでした。
しかし、このような勧告が出たことは事実です。
飲んだ人が全て膀胱癌になった訳ではありません。
多くの人が飲んで、飲まない人に比べて膀胱癌になった人が多かったということで、何か他に理由があるかもしれません。
今後も注意深く見守っていく必要が有りそうです。
高速道路の無料化
http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h23/0608b/
6月20日より罹災証明書を持った人の東北自動車道での高速料金が無料になります。
聞いた話では半壊以上でしたが、確認したところ一部損壊でも大丈夫でした。
当院も一部半壊なので、罹災証明書を持って行けば高速道路は無料になります。
でも、罹災証明書は大切に大切に金庫にしまってあります。
ちょっと出かける為に持ち歩くものではないイメージですが、コピーでは駄目だとのことで、持ち歩く為にはラミネートでもしようかと考えている次第です。
明日の診療後、横浜市に出発します。
第56回(社)日本透析医学会学術集会・総会に参加してきます。
自分の知識を高めるためにしっかり勉強してきます。
それから、演題発表も行います。
ご期待下さい。
震災における対応課題4
事前に離脱方法を統一化していませんでしたので、スタッフによって離脱させた患者数に差がでてしまいました。
そこで、皆で話し合い、切断法にて統一することといたしました。
ただ、これは今回の様に電源が喪失するほどの大惨事の場合です。
4月11日に起こった震度5の最大余震時にも透析を行っていましたが、このときはすぐに回収を行い終了することが出来ました。
切断という方法は、通常行う方法で無く緊急時に出来ないのではと言うことを言われます。
ただ、鉗子をかけて接続部を外す方法だと、その後避難している間、鉗子をかけた部分が外れても分からない可能性があります。
また、セイフティー針にロックをかけて回路から外す方法は、長い揺れが続いた後では指が震えてしまった経験から、ひどい揺れに耐えた後に細かい操作を行うこと難しいと思います。
これらのことから、鉗子をかけてその遠位を切断し、患者さんに鉗子を持って逃げてもらう方法が一番早く安全と我々は考えています。
震災における対応課題3
震災後の対策です。
RO装置は、ゲルセーフにて固定していたものの、45cm移動し、漏水検知も切断されてしまいました。
その後の最大余震でもさらに動いて、後ろのチューブが伸びきってしまいましたので、その後すぐに元の位置に戻しました。
今後は、床に直接固定する工事を行う予定です。
落下した検査機器は壁際に寄せて設置しました。
これらは高額な機械ですので、さらに転倒防止のシートやベルトを用いた対策を行う予定です。
震災直後、血液ガス分析装置が転落して画面がくしゃっとなってしまいました。
高額な機械ですので大変だという事もありましたが、検査会社へ検体の輸送が出来なくなった状態でさらに出来る検査が少なくなってしまったと言うことは反省すべきことでした。
鉗子の位置は、生食と一緒にかけていた為に地震の揺れで散乱してしまいました。
そこで、コンソール脇にマグネットフックつけて、鉗子が飛んでしまわない工夫をいたしました。
震災における対応課題2
続きです。
今回の震災で、ゲルセーフで固定してあった重さ1トンのRO装置は脚の部分がちぎれて動いてしまいました。
AB溶解装置もゲルセーフで固定してありましたが、同様に動いてしまいました。
機械室の卓上に有った浸透圧計、血液ガス分析装置、パソコンは無惨に落下してしまいました。
透析フロアでは、ベッドが大きく動きました。
10名が透析中でしたが、大きな揺れによるベットからの転落や透析の穿刺針が抜けてしまうと言う事は有りませんでした。
ただ、あまりに揺れたため、透析装置のフック部分にかけてあった鉗子がほとんど吹き飛んでしまい、緊急離脱を行うためにスタッフは先ず鉗子を探す事から始めました。
揺れもひどかったですが、エアコンの蓋が取れ落ちてきて、壁に多数の亀裂が入り、そのため砂埃が舞う状況でした。
もちろん電源が破壊され、非常用電灯のみの状態でした。
倒れた冷蔵庫のファンがカンカンカンと大きな音を鳴らしていました。
我々は、患者さんを退避することを最優先としました。
そのため回収をせず、緊急離脱としました。
事前に離脱法を統一していなかったため、7名が鉗子をかけてロック部分を外し離脱。2名が鉗子をかけた後ラインをスタッフが切断して離脱。
オーバーテーブル上に止血バンドとガーゼが置いてあった1名だけは抜針後止血バンドで止血して離脱しました。
後日、構造計算を行う一級建築士にクリニックの柱が大丈夫であるか確認してもらい、全く問題がないことを確認しています。
当院は、鉄骨2階立てですので、地震には強いのですが揺れは強いようで、震災時はとても怖かったです。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。