インフルエンザワクチンの接種料金
インフルワクチン接種、10月以降も当面国の事業で-厚労省案
厚生労働省は7月28日、新型インフルエンザ対策担当課長会議を開き、自治体などの担当者に10月以降のインフルエンザワクチンの接種事業の案を示した。
それによると、継続審議となっている予防接種法改正案が成立し、同法上の新臨時接種を開始するまでは、国がワクチン接種の実施主体となり、医療機関は国とワクチン接種に関する委託契約を結ぶ。
ただ、新臨時接種の開始後は市町村に実施主体が移ることを前提に、医療機関の確保や接種費用の設定は市町村が行うとしている。
医療介護CBニュース 7月28日(水)22時54分配信
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先日とあるメーカーから聞いたのですが、今年のインフルエンザワクチンは、これまでのインフルエンザと新型のどちらにも対応できる混合型だそうです。
そのため、今年はこれまでと違い、接種費用の設定は市町村が行うことになります。
今まで、インフルエンザワクチンの接種費用は各医療機関でまちまちでした。
昨年ですが、4000円から5000円くらいするところも有りますが、安いところでは1500円程度の医療機関が有ることも聞きました。
それが、今年は市町村で一律となると言うことです。
外来が混雑するためにあえて高い摂取料金を設定していたところは、他で受けていた人たちが希望してさらに混雑するでしょう。
当院は、開院間もない一昨年、そして昨年は、クリニックを認知してもらえるように安価な価格を設定していましたが、今年はそれが出来なくなり残念です。
なんだか、価格を統一させることで、ワクチンの接種料金が上がってしまうのではないかと危惧します。
つまり、受けない人が多くなり、インフルエンザに感染する人が増えてしまわないかということです。
考えすぎだと良いのですが。
どうでしょうか。
第37回東北腎不全研究会 3
修正可能な治療指標の目標範囲外にいる日本人患者の割合と、当院での目標範囲外の割合です。
スライドでは、目標範囲外にある日本人患者の割合と記載していますが、実際には30万人近くいる透析者の方たちから1800人をサンプリングしたごく少数の方たちなので、以後、日本人サンプルと記載させていただきます。
Single-pool Kt/V<1.2 では、目標範囲外にある日本人サンプルが30.70%いたのに対し、透析量の目標をKt/V<1.6 以上としている当院では0%でした。
Hb<10 g/dL では、目標範囲外にある日本人サンプルが47.10%に対し、当院では13%と低い結果でした。
これまでも、高透析量オンラインHDFを行うことで、貧血が改善し、EPO使用量が少なくなることを報告しています。
PO4>6.0 mg/dLでは、目標範囲外にある日本人サンプルが35.2%いたのに対し、当院では7%でした。
このリンの結果については、透析導入して間もない方が多いと言うことも影響していますが、自信を持って発表できる結果だと考えています。
Ca>10.0 mg/dL では、目標範囲外にある日本人サンプルが48.1%いたのに対し、当院では10%でした。
Caの結果は、透析歴が短い方が多い当院では低くなる可能性があると思います。
アルブミン<4.0 g/dLでは、目標範囲外にある日本人サンプルが66.1%いたのに対し、当院では53%でした。
アルブミンについては、日本人サンプルより上回っていますが、他の項目のような大きな差は出ませんでした。
この数値を見ると、今後も透析者の栄養という大きな課題に取り組んでいかなければと思います。
高透析量群、中間透析量群、非大量置換HDF群で目標範囲外の割合を比べてみましたが、個数が少ないこともあり、アルブミン以外は違いははっきりしませんでした。
非大量置換HDF群でアルブミンの達成割合が低くなっていますが、これは元々栄養状態が悪い方を非大量置換HDF群としていますので、この様な結果になっています。
学会では、今回出した3群の平均はどのくらいかと質問がありましたが、答えられませんでした。
質問した先生は、高透析両群と非大量置換HDF群でKt/V はどちらが高かったかと言う質問でした。
答えられず申し訳ありませんでした。
それで、簡易的にスライドを作ってみました。
単位は入っていませんが、ご了承下さい。
Kt/Vは、高透析量群で一番高く1.931でした。
ただ、3群ともそれほど大きな差はないようです。
リンは、透析量が一番多く、我々が勧める透析方法を受け入れてくれている高透析量群が一番低い結果でした。
栄養状態が一番悪い非大量置換HDF群よりもずっとコントロールが良かったのは驚きです。
Albは、やはり非大量置換HDF群 で低い結果でした。
Hbは変わらなかったです。
第37回東北腎不全研究会 2
対象と方法です。
今年の5月時点で、当院に転院してから半年以上経過している30名の患者さんを対象としました。
この方達を高透析量群、中間透析量群、非大量置換HDF群の3つの群に分けました。
高透析量群は、当院で目指している透析である大量置換オンラインHDF、血流300ml/min以上、4.5時間以上の透析を受けている方で、12名いらっしゃいます。
中間透析量群は、大量置換オンラインHDFは受けているが血流もしくは透析時間が基準を超えていない10名です。
主に4時間透析の方が多いですが、シャントの問題で血流が上げられない方もいらっしゃいます。
非大量置換HDF群は、上記1,2に含まれない8名です。
患者さんの背景を示します。
非大量置換HDF群というのは、大量置換オンラインHDFを行っていない方です。
なぜ行わないかというと、食事摂取量が少なく、大量置換オンラインHDFを行うと栄養状態が不良となってしまうので、少量のオンラインHDFを行ったり、栄養状態を悪化させないと言われている膜で通常の透析を行っている方達です。
非大量置換HDF群の多くの方が高齢者です。
血流量は、他の群に比べて低くしている方が多いです。
それでも、平均243ml/分あります。
透析時間は、高透析量群の方で5時間透析を行っている方が多く、中間透析量群で4時間透析の方が多いので、このような結果になりました。
次回は結果を示します。
第37回東北腎不全研究会 1
昨日、一昨日と、新潟市朱鷺メッセで行われた第37回東北腎不全研究会に参加してきました。
昨日は、演題発表も行い充実した二日間でした。
EDのことを書いてきましたが、せっかく学会で発表しましたので、その内容も書かなければなりません。
EDと生活習慣病のことはちょっと延期して、今回の学会発表の内容を記事とさせて下さい。
今回の演題は、
『血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の評価』
と言う演題でした。
2008年の日本透析医学会雑誌に、『血液透析の修正可能な治療指標に起因する日本の透析患者の推定生存年数-DOPPSより-』
と言う論文が載りました。
J-DOPPSの結果から死亡原因に直結する6つの検査結果の目標値を達成することで、患者さんの生存年数がどのくらい延長するのかという内容です。
その中で、
血液透析療法のうち修正可能な6つの治療分野(指標)において,推奨レベル(目標値)を達成していない患者割合を算定するために,DOPPSから得られた日本人血液透析患者の代表サンプルを用いた.
その結果,日本人の血液透析患者の内,ごく少数の患者では5つないし6つの指標で目標値を達成していたが,殆どの患者(78.1%)で達成した指標は2つないし4つであり,20.5%の患者では1つ以下と,かなりの割合の患者が治療指標の推奨レベルを達成していなかった.
と有ります。
死亡リスクと関連する6つの指標は、
Kt/V<1.2
Hb<10 g/dL
PO4>6.0 mg/dL
Ca>10.0 mg/dL
アルブミン<4.0 g/d
施設でのカテーテル使用>10%
と書かれており、 DOPPS Ⅱに参加した1,805 人の血液透析患者さんの達成率は図のごとくで、治療指標の個数はこの様な結果だったと書かれています。
では、
当院で行っている
透析時間の延長(4.5時間以上の透析)
血流量の増加(可能な場合は300ml/min)
オンラインによる血液濾過透析
と言う透析診療が、治療指標をどのくらい達成出来るのかと言うのが今回のお題です。
EDは
米国での器質性EDの原因です。
これを見ると糖尿病(DM)と動脈硬化で70%を占めています。
性的刺激が脳からの信号によって、神経を介して陰茎に伝わります。
すると、陰茎海綿体の動脈が大きく拡がり血液が流れ込み、勃起となるのですが、動脈硬化が有ると、陰茎海綿体の動脈が広がらず、十分な量の血液が流れ込まないため、十分な勃起が起こらないことになるのです。
糖尿病は、動脈硬化を引き起こす代表的な疾患です。
そしてEDは、糖尿病や動脈硬化と密接に関係してます。
リスクファクターで説明しましたが、もう少しこの生活習慣病とEDの関係をじっくり説明していきたいと思います。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。