- 2008.07.11
- 診療
長時間透析
当院では、透析時間を延長することを患者さんにお勧めしています。
全国腎臓病協議会の出している雑誌『ぜんじんきょう』でも、今回は知って役立つ医療情報のコーナーでそのようなお話がありましたので、記事とします。
ちょっと読みにくいと思いますので、是非『ぜんじんきょう』をお読みになってみてください。
普通の体格の透析患者さんでは、4時間の透析では透析不足になるのは知られていることです。
是非とも透析時間を延長するようお勧めいたします。
ただし、長時間よりももっと大切なのは、頻回に透析することです。
時間を5時間、6時間にしたからと言って、週2回でいいということは絶対ありませんので、付け加えておきます。
診察中の携帯電話
先日、とあるおじいさんの診察を始めようとしたところ、携帯電話が鳴りました。
通常は、出ても「今診察中だから」とか言って電話を切ることが多いのですが、その方は話を続けてしまいました。
1分くらい待っていたのですが、さらに話が終わりそうもなく、「そろそろ診察を始めてもいいですか」とお話しさせていいただきました。
現在は、携帯電話を大人も子供も、年寄りも持っている時代ですので、診察中に携帯が鳴るのは日常茶飯事で、特に気にしていませんし、結構恐縮してしまう患者さんが多いので、すぐに切っていただければ大丈夫ですとお答えしています。
以前、妻がとあるコンタクト専門のクリニックで、診察中にメールが鳴ってしまったところ、先生から「気にせず出てください。」と言われてびっくりしたと言ってました。
でもやはり、話を続けられるのはどうかと思います。
診察室は、患者さんの訴えをよく聞いて、よく考えて、処方や治療を行う場所です。
まあ、学校の授業中に携帯電話で話をしないと言うことと同じくらいの感覚だと思います。
もちろん、当院の2階には透析室があり、コンソール等の精密機械もありますので、携帯電話は電源を切っておいていただくようお願いしてあります。
よろしくお願いします。
- 2008.07.05
- 診療
縦に書け
先週の日曜日、第19回日本サイコネフロロジー研究会に出席したことは、ブログに書きましたが、日曜日の特別講演は、書家の石川九楊先生の「縦に書け~精神の食べ物・心の安定~」 と言う表題でした。
日本人の歴史を考えると、文字は縦書きに書くべきで、横書き日本人の精神にそぐわないという講演でした。
そんなことは、全くお構いなく、毎日ひたすらパソコンの前に座っている自分にとって、もしかしたらまずいかもと言う思いがあり、帰りに「縦に書け!―横書きが日本人を壊している」と言う本を実際に買って帰りました。
やっと読み終わりましたが、200ページ以上に縦に書いてこそ日本人という石川先生の持論があらゆる角度から書いてありました。
一つの結論に対して、これほどまでいろいろな方面から説得する本は凄いなと言うのが、この本を読んでの感想です。
結論から言えば、講演の方が端的で分かりやすく良かったかと思います。
でも、「人は脳ではなく手である」とか、「紙は天と地を持つ空間」など、なるほどという部分は多く、しっかりと物事を考える力を付けるためには、読んでみる価値はあると思います。
毎日、毎日、同じ人間同士で仕事をしていますので、考えが偏っていかないように、時々、他の空気にも触れていくことが必要ですね。
- 2008.07.04
- 診療
CKD−MBD管理
昨日は福島で、CKD−MBD管理の講演会がありました。
以前は、透析患者さんで起こる骨代謝の病態を腎性骨異栄養症(ROD)と言っていましたが、最近では、血管石灰化が慢性腎臓病患者の生命予後を規定する最も重要な因子であることが分かってきたため、慢性腎不全に伴う骨ミネラル代謝異常症(CKD-MBD)と言う名称に変わっています。
以前より活性型ビタミンD製剤という薬を用いることで、CKD−MBDの治療は行われていましたが、カルシウムの値が上がってしまうため、十分な投与ができない場合がしばしばありました。
最近シナカルセトと言う薬が発売されましたが、直接副甲状腺に作用する薬が発売されて、2次性副甲状腺機能亢進症の治療がしやすくなってきています。
ただ、基本は十分な透析を行うと言うことです。
十分な透析を行えば、リンは低下しますし、血圧も下がってきます。
患者さんは元気になって、使う薬も減ってきて、スタッフの仕事が減るので、クリニックの負担も減ってきます。
結局、最後はそのことに行き着きますが、いい透析を行っていくために、これからも頑張っていきたいです。
- 2008.07.01
- 診療
祝!初PTA
今日は、クリニックを開院し、初めてPTAを行いました。
PTAと言っても父兄参観ではありません。
PTAは内シャントの静脈が狭くなる、いわゆる狭窄に対する治療で日本語では、経皮的血管形成術と言います。
狭窄部と離れた部分のシャント静脈に針を刺し、カテーテルを挿入して、狭窄部で風船を膨らませ、狭窄を広げる治療です。
心臓カテーテル検査の時に冠動脈が狭い場合行うのと同じです。
引用:ボストン・サイエンティフイック・ジャパン株式会社
以前より熱心に行っていた治療法です。
今まででしたら再手術が必要となる患者さんも、日帰りで切ることなく治療できる方法ですので、クリニックを開院しても続けていきたいと思っていました。
開院して初めての患者さんが問題なく上手くいったのが、とても喜ばしいことです。
透析診療では、十分な血流で透析を行うことはとても大切なことです。
血流が300ml/min以上とれるようにシャント管理をしっかりと行っていきたいと思います。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。