2008.10.17
診療
仕事 / 職場

読売新聞の提言

16日に読売新聞で、医療改革の提言が一面トップでありました。
その中で、救急体制を充実させるために、開業医に救急病院の当直をさせると言う項目がありました。

要は、首都圏で日中だけクリニックで診療し、夜は家に帰ってしまう人たちに対して、救急外来に参加させたいと言う思いがあるという様な話でした。

僕は現在夜はやっていませんが、土曜日の午後は以前いた西ノ内病院で透析診療を行っていますし、これまでも病院時代は当直をしていたので、あまり抵抗はなく、勤務医の先生が大変ならやってもいいとは思っています。

ただ、全ての開業医に対し、当直をやらなければ収入を減らすようなことはしてほしくないです。

まずは、高齢の先生に当直をさせるのは難しいと思います。
実際、病院でも、45歳とか50歳になったら当直免除になっているところはたくさんあります。

そして、在宅医療を行っている先生は24時間体制ですので、その先生たちに当直をさせることは無理があります。

また、夜間透析を行っている施設では、23時頃まで診療を行っていますので、その上に当直ではかなり辛いでしょう。

基本的には勤務医の先生たちの負担を少なくするということが目的なので、出来るだけお手伝いしたいと考えますが、そう言うことも考えてほしいです。

ちょっと思ったので、つれづれに書いてみました。

2008.10.11
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インフルエンザワクチンについて〜追加

今回、インフルエンザワクチンの接種についてシリーズで書いてみました。
最後に根本的な問題ですが、ワクチンは受けるべきかについて書きたいと思います。

これは、幼児(1〜4歳)の超過死亡とワクチン供給生産量を表したグラフです。

学童集団接種が1994年に中止されました。実際の接種は、89年頃から急激に減少しています。
それに伴い、幼児(1〜4歳)でインフルエンザ脳症などの合併症で亡くなった方が急激に増加しています。

学童の接種と幼児のインフルエンザ感染は、一見関係ないように見えますが、学童集団接種による免疫効果や集団での発生が抑えられたとにより幼児が守られていたと言う事が分かると思います。

その後、幼児自体の接種率が上がったことにより、再び死亡率が低下しています。
2004年には、1〜6歳のワクチン接種率が50%を超えるようになっています。

この事実から見ても、ワクチンは接種すべきだと言えるのではないでしょうか。

尚、前回も書きましたが、僕自身は尿路感染症については専門的な意見が言えますが、インフルエンザ感染については専門的な立場ではありません。

ただ、ブログを読まれる皆さんに、インフルエンザワクチンについて情報を提供する事は、必要な事だと考え、連載で記事としました。
もし、ご意見等がありましたら、コメントで指摘ください。

2008.10.11
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インフルエンザワクチンQ&A〜その4

今回はインフルエンザワクチンQ&Aの4回目です。

昨日に引き続き、副反応を中心に記載します。

Q5 局所反応が出にくい接種法がありますか。

局所反応で一番多い症状は接種部位の発赤です。通常数日で軽快します。成人の場合、5〜10cm程度の発赤はよく認められる反応のようです。

接種の深さが浅いと接種後に発赤の出現が多いという報告もあります。そのためなのかは分かりませんが、米国では予防接種は筋肉注射で行われています。

そして、接種した後に揉んだ方がいいかについてですが、ガイドラインでは液が漏れ出さないように注意しながら数回揉むと書いてありますが、揉まない方が局所反応が出にくく、揉むとアナフィラキシーの起こる頻度が高くなるおそれが有るという意見もあります。
どちらにしても、受けるご本人はも揉む必要はありません。

Q6 卵アレルギーなどのアレルギーを持つ方への接種の注意点について

インフルエンザワクチンには、微量の鶏卵成分が含まれています。卵アレルギーのある乳幼児の場合、まれですが全身的なアナフィラキシー症状を起こす可能性があります。

事前に薄めたワクチンで皮内反応試験を行い、分割接種を行ってから行う施設もあるようです。
卵アレルギーの有る方が、接種を希望されているなら、小児科やアレルギー科などの先生に相談してから接種を行うようにしてください。

また、喘息を持っている患者さんも、インフルエンザにかかると気道の過敏性が亢進して喘息が悪化しますので、積極的にワクチンの接種を受けた方がいいと言われています。

しかし、ワクチンがアレルゲンとなりうる可能性がありますので、発作を起こしてから、有る程度の期間は受けない方がいいようです。
やはり、小児科や呼吸器科での接種が望ましいと思われます。
これだけシリーズでいろいろ書いたのですが、援腎会すずきクリニックは、腎臓病と泌尿器科を専門とするクリニックです。

今回の記事は、当院でインフルエンザワクチンの接種を行うに当たり、インフルエンザワクチンについて勉強して書いています。

乳幼児やアレルギー・喘息をお持ちの方は、専門医やかかりつけの小児科医に接種してもらってくださいね。

 

2008.10.11
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インフルエンザワクチンQ&A〜その3

今回は、第3回目です。

Q4 インフルエンザワクチンの副反応について教えてください。

予防接種後に見られる発熱、けいれん、発疹などの健康被害を予防接種の副反応と言います。
副反応には、重大な副反応と、その他の副反応が有ります。
一般的に薬物に伴うものは副作用ですが、ワクチンの場合副反応と言うそうです。

重大な副反応は、アナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、けいれ、肝機能障害、喘息発作などが有ります。

平成18年の調査では、1,877万本のインフルエンザワクチンが使用されて(つまり4000万人くらいの方に使用されたと考えられます。)、これらの重篤な副作用は44件くらいであったようです。
つまり、重篤な副作用は100万人に一人くらいと言うことになるでしょうか。

アナフィラキシー様症状が出ると、命に関わってきます。
緊急の対応が必要となりますので、ワクチンの接種後は、少なくとも30分は院内に残っていただき、経過を見ることになります。

その他の副反応としては
・発疹、蕁麻疹、湿疹、紅斑、掻痒等の過敏症
・発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などの全身症状
・発赤、腫脹、疼痛などの局所反応
などが有ります。

頭痛、発熱などの全身症状も5〜10%位で起こるようですが、一時的なものです。
接種部位の腫脹や発赤、発熱や倦怠感などは、10〜20%の頻度で起こりますが、頻度は高くても2,3日で消失します。

心配でしたら、接種した医療機関にお問い合わせください。

 

2008.10.09
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インフルエンザワクチンQ&A〜その2

今日は、『インフルエンザワクチンQ&A』の第2回です。

Q2 インフルエンザワクチンは毎年接種した方がいいですか。

インフルエンザワクチンの接種する株は、Aソ連型、A香港型、B型の3種類です。
国立感染症研究所で検討し、その年にはやりそうな株を選んで混合し接種していますので、毎年ワクチン液は異なるものが作られています。
そして、ワクチンによる免疫の持続も3〜4ヶ月程度と言われています。

このような事から、インフルエンザワクチンは毎年接種した方がいいと言われています。

Q3 それでは、接種の回数はどうでしょうか。

厚生科学研究によると、65歳以上の高齢者に対しては、インフルエンザワクチンを1回接種することで、重症化予防の効果があることが確認されています。

13歳から65歳未満の方は、2回行う方の数が少ないため、高齢者のような調査がされていないので確証はないのですが、高齢者より体力がある方たちですので、1回接種でも十分ではないかと考えられています。

13歳未満の小児には2回接種が行われていいます。
これは、成人では毎年のインフルエンザ暴露やワクチン接種による免疫の蓄積が有りますが、乳幼児ではこの免疫の蓄積が有りませんので、1回では不十分と言うことになります。

2回行う場合の接種間隔については、1〜4週間の間に受けなさいと言われていますが、免疫の獲得をよくするためには、出来るだけ3〜4週間の間隔で2回目を接種した方がいいと言われています。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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