当院における透析患者の栄養管理3
次にMISです。
SGAの7項目にBMIと血清Alb,TIBCを追加したもので患者の栄養状態を正確に把握できると言われています。
SGAよりもMISの方が点数かされている分、初心者には向いているかなと思います。
身体所見で、皮下脂肪減少の有無と筋肉量減少の有無を判断するのが主観的な部分であり、経験の無い我々に取っては難しかったのです。
インボディを使用して評価する方法も有るようで、今回インボディを購入しましたので、インボディで評価すると機械的で点数が付けやすいです。
合計点数が、
0〜5点 栄養状態良好
6〜10点 軽度栄養障害リスク
11点以上 中等度・重度栄養障害リスク
と判定するとなっています。
SGAに比べて、採血での評価が入っていること、点数化することで評価しやすいことと、時系列で見られることで、透析者の栄養管理に対しては向いているのではないかと考えています。
GNRIは、高齢者を対象とした栄養状態判定法で、血清Alb値と標準体重から換算出来る簡便な方法です。
当院のMEが、ドライウエイトとアルブミン値を入れると、栄養リスクが有るかどうか判断できる表を作ってくれたので、患者さんの一覧表で評価できて簡単です。
Bouillanneらによる栄養判定では、91以下を中等度・重症栄養障害リスクとしており、山田先生の判定方法でも、91.2以下を栄養障害リスクとしていますので、当院でも91以下をリスクありと評価しています。
福寿草が咲きました。
3月になって少し暖かくなってきたでしょうか。
いつも野花を持ってきてくださる患者さんが、先日福寿草を持ってきてくれました。
当院に持ってくるまではつぼみだったのですが、持ってきて15分くらいで全ての花が咲いたそうです。
いつも院内は暖かくしていますが、急な温度の変化で福寿草もビックリしたのでしょうか。
梅の花はまだつぼみのままです。
いつも飾っていただいて心から感謝しています。
そう言えば、先日記事で書いた福島市の旧さくら野デパートにダイユー8が入る様な事が今朝の新聞に載っていました。
福島市は20年近く住んでいた場所です。
最近は駅前も人影が少なくなっていますので、また以前のようにたくさんの人が行き来するようになると良いですね。
当院における透析患者の栄養管理1
先日、県南腎疾患研究会にて、『当院における透析患者の栄養管理』の題名で発表をさせていただきました。
発表した内容についてブログでご紹介いたします。
題名です。
以前から、透析者の栄養障害についてブログでたくさん記事を書いてきました。
透析者では、たんぱく質・エネルギ栄養障害(protein-energy malnutrition;PEM)が高頻度で見られると言われています。
PEMの何が問題かというと、
・ 病気になりやすく、回復が悪い。
・ すぐに入院して、入院日数も長く、死亡率も高い
・ 合併症が起こりやすい
・ 褥瘡ができやすい
・ QOLやADLが悪い
などが上げられます。
そのため、PEMを早期に発見し、栄養状態の改善を行うことが大切なのです。
援腎会すずきクリニックでは、昨年11月より栄養評価法であるGNRIとMISを組み合わせて管理する栄養スクリーニングを開始して、PEMを早期に発見するための対策を行っています。
当院の試みについて発表しました。
HbA1cの目標値
昨日、糖尿病の講演会が有りました。
現在、我々が血糖の指標として使っているのはHbA1cで、目標値は6.5%以下となっています。
その目標値が2年後には変わるとの話でした。
というのは、日本で使っているHbA1cはJDS (Japan diabetes society)値を採用していて、アメリカ、ヨーロッパでは、NGSP (National glycohemoglobin standardization program) 値を指標としているそうです。
日本で使っているのはHbA1cで、海外で広く使われているのは、A1Cだそうです。
そして、
A1C (NGSP 値(%))=HbA1c (JDS値(%))+0.4
と言う差があります。
これは、海外での学会発表がNGSP値で行われているので、日本だけ違う値で発表すると不都合が生じるようです。
そのため、日本でも2年後にはNGSP値を基準とすることに決まったそうです。
そうすると、昨日までは、HbA1c6.5で合格と言われていた人が、明日からはA1Cを採血して6.9と言う結果が出てしまいます。
前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAも、以前はいろいろなはかり方があり、数値の基準も異なっていました。
現在は、同一の基準となっていますので安心ですが、HbA1cの様に広範囲に使われている採血の値が変わるのは現場は混乱し大変でしょうね。
福島県糖尿病療養指導士認定証
福島県糖尿病療養指導士認定証が本日届きました。
ちょっと恥ずかしいですが、事務さんに一枚写真を撮ってもらいました。
うちの透析室も、糖尿病の方ばかりですので、学んだ知識をこれからの診療に役立てていきたいと思います。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。