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- 2025.04.11
- 一般
慢性腎臓病の方のマグネシウム(Mg)濃度は高い方がいい
長らくブログの更新がされておらずすみません<m(__)m>でした
楽しみにしていたと言う方から最近更新していないと言われまして、また頑張って書こうかと思います。
今回は、以前から院内の透析患者さん向けの透析新聞の記事を載せてみます
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透析患者のマグネシウム(Mg)濃度は高い方がいい
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マグネシウムは腎臓から排泄されるため、腎機能が低下しマグネシウムの尿中排泄が低下してくると高マグネシウム血症となる事が知られています。しかし、実際には20%の透析患者さんで正常基準値(1.8~2.4mg/dL)未満となります。これは、現在使用されている透析液中のMg濃度が1~1.2mEq/Lと低く設定されていて透析で除去される為です。10年以上前ですが、重篤な高マグネシウム血症での死亡例が報告されニュースとなった事がありました。後になって寝たきりのご老人にマグネシウムを漫然と投与して血中濃度も測らなかったから生じたケースだったと分かりました。一般的には5 mEq/Lくらいから症状が出てくると言われており、死亡に繋がるのは10 mEq/L以上だったと言う話です。
我々もこのニュースを聞いて、マグネシウムが高いと危ないので低めにコントロールした方がいいと考えていました。しかし、最近の研究からは、透析患者ではマグネシウム濃度が2.8~3mEq/Lの方で最も心血管死亡リスクが低くかったと言う結果が報告されています
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また、毛髪のマグネシウム濃度を測定した研究では、マグネシウム濃度が高い程心肥大が軽度であったという報告や、クエン酸マグネシウムを投与した研究にて、当院でも年1回行っている頚動脈超音波検査にて動脈壁の肥厚(動脈硬化)が良くなったと言う報告もされています。
更には、マグネシウム濃度が低いと血清リン値が高くなると血管が石灰化して死亡リスクが上がるのに対し、マグネシウム濃度が3.1mEq/L以上だと血清リン値が高くなっても死亡リスクは変わらなかったと言う透析学会の集計データもあります。
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ただし、マグネシウムを摂取しても石灰化が良くなる事は無く、まだ石灰化が起こっていない方の石灰化を防ぐと言う事ですので間違えない様にしてください。
マグネシウムの投与は下剤である酸化マグネシウム(マグミット錠)で行います。定期的にマグネシウム濃度を測定しながら3mEq/Lを目指しながら少量ずつ投薬しています。血管石灰化を予防し、良好な生命予後を目指す為には、バランスの良い食事と十分な透析で血清リン値が高くなりすぎない様にして、マグネシウムの多い食事の摂取や酸化マグネシウムの少量内服することです。
保存期の患者さんでもMg には腎機能を保護する作用があると考 えられていますので、マグネシウム濃度は高い方が良いと言う事も言われています。
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プロフィール

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。