Warning: Use of undefined constant HTTP_USER_AGENT - assumed 'HTTP_USER_AGENT' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/enjinkai/www/wp/wp-content/themes/enjinkai/functions.php on line 63
- 2022.06.24
- 一般
最近話題の「サル痘」について
最近、欧米などを中心に「サル痘」と言う感染症が多数報告されており、WHO(世界保健機関)では専門家による緊急の委員会を招集し「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたるか検討中だとのことです。
何故、「サル痘」と言う感染症について私がブログに書くのかについては後で触れます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220623/k10013686091000.html
サル痘は1970年にザイールでヒトでの初めの感染が確認されたサル痘ウイルスによる感染症で、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。国内では感染症法上の4類感染症に指定されています。
これまではヒトからヒトへの感染は確認されていませんでしたが、今年の5月以降、従前のサル痘流行国への海外渡航歴のないサル痘患者が欧州、米国等で報告されています。
サル痘はゲイ・バ イセクシャル・その他の男性間の性交渉を行う者での感染事例が多いようです。
いわゆる性感染症という事になり、一応性感染症学会専門医である私がブログに書く理由となっています。
.
ウイルスに曝露後、通常6-13 日(最大5-21 日)の潜伏期間の後に発症して、発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状が0-5日程度持続し、発熱1-3日後に発疹が出現するそうです。
皮疹は顔面や四肢に多く出現し、徐々に隆起して水疱、膿疱、痂皮となり、男性間性交渉の間で報告されている症例では、外陰部に病変が集中しているとの事です。
多くの場合2-4週間持続し自然軽快しますが、小児例や、あるいは曝露 の程度、患者の健康状態、合併症などにより皮膚の二次感染により気管支肺炎、敗血症、脳炎、角膜炎などの合併症を引き起こし重症化する事もあります。
.
サル痘常在国における致命率は 1-11%程度だそうですが、今回の欧州、北米での流行では現時点で死亡例無しとなっています。我が国で利用可能な治療薬はありませんが 欧州においては特異的治療薬として Tecovirimat が承認されています。
根絶した天然痘と似た感染症ですので天然痘ワクチンによって約 85%発症予防効果がありますが、1980年5月にWHO総 会で根絶宣言が出されて、1976 年を最後に痘瘡ワクチン の定期接種(種痘)が廃止されています。
.
サル痘ウイルスにさらされてから4日以内に天然痘ワクチンを接種すると感染を予防する効果が、4~14日以内の接種で重症化を予防する効果がああり、テロ対策として日本でも250万人分の天然痘ワクチンが備蓄されています。
感染が新型コロナウイルスやインフルエンザなどの呼吸器感染とは違い一気に広がる感染症とは異なりますので、ワクチン接種の対象者も感染者を治療する医療従事者や感染者の濃厚接触者などに限られそうです。
.
基本は動物からヒトにうつる感染症で、不特定多数との性交渉やアナルセックスなどを行わなければ恐れる事も無いかもしれません。
.
今回の情報は、下記リンク先や私が調べた範囲内での情報ですので、今後また違った情報が出てくるかもしれません。
現時点での情報と言う事でご理解ください。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。