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- 2019.06.05
- 一般
透析中止の話 毎日新聞に違和感 続き
4月29日に透析中止の話 毎日新聞に違和感
と言う記事を書かせて頂きました。
その時に、
毎日新聞は市民団体が要望書を渡したことを記事にする前に、報道した事に対して公立福生病院院長が反論した内容に対して再反論する必要があると思います。
話の内容をすり替えているだけで、取材して記事にした内容についての検証を全くしておりません。
と記載しました。
今回、日本透析医学会が5月31日に日本透析医学会ステートメントとして声明を発表したこともあり、最近どの様な経過になっているのかを調べてみました。
5月21日に
福生病院、遺族にカルテ開示拒否 調査委には遺族同意なく公開 透析中止問題
と言う記事が毎日新聞から発信されています。
記事によると
病院は夫ら遺族の同意を得ないまま、女性のカルテの一部を調査委に見せていた。一方、夫側はカルテなどの開示を請求しているが、病院側は「(病院の)個人情報保護条例により、死者は対象とならない」と拒否している。
と書かれています。
遺族の同意を得ないまま調査委にカルテの一部を見せて、夫側の開示請求は拒否したという事ですので、それは問題だと思います。
それに対しては、病院側が反論の声明を出しています。
記載されている内容をピックアップしますと
患者遺族の代理人弁護士が当院に抗議したとされております。しかし同弁護士は、毎日新聞の記者の紹介で、患者遺族を名乗る人物と電話で話しただけということであり、少なくともその時点では、患者遺族と会ったこともなければ、委任状もまだ貰っていないとのことでした。
と言う内容が書かれています。
毎日新聞の記事と全く違う内容です。
5月31日に日本透析医学会が声明を発表しましたが、その中に書かれていたのは、
患者さんが自ら血液透析終了の意思を表明しており、その意思が尊重されてよい事案であると判断
透析非導入や透析終了は、当該病院主治医から持ちかけられたものでなく、患者さん本人もしくは家族の意思であった
IC(説明と同意)は、多職種により構成された医療従事者と患者・家族間で複数回実施されており、適切に行われていた
と言う内容でした。
共同通信は、声明を受けて記事を書いていますが、
学会、透析やめる意思固かった 福生病院問題で声明
と言う題名ででした。
朝日新聞の記事でも
福生病院の透析患者死亡 学会「中止の意思尊重は妥当」
と言う内容でした。
毎日新聞以外の新聞は概ね学会の判断から公立福生病院の対応が妥当だとしています。
毎日新聞の記事では
東京・公立福生病院透析指針、終末期以外も 問題受け医学会見直し
終末期以外の透析中止について指針に無かった点を医学会が見直すと言う記事を書いています。
福生病院に問題が有ったと言う自紙の主張については全く触れていません。
これまで福生病院に対し繰り返し問題があったと記事にしてきていますので、是非とも医学会の声明の内容を吟味して記事として頂きたかったです。
更に、毎日新聞4月24日の記事
透析中止 市民団体が公立福生病院に「死への誘導」中止を要請
に出てくる市民団体が6月6日に集会を開くそうです。
日時:2019年6月6日(木)15時~17時(受付14時半より)
場所:衆議院第2議員会館3会議室 地下鉄 国会議事堂前 あるいは永田町下車
*報告1: 冠木克彦弁護士
昨年8月16日に亡くなられた女性の夫の代理人として
*報告2: 斎藤義彦毎日新聞記者
事件の取材から明らかになったこと
と言う事で、患者遺族の代理人弁護士の方と毎日新聞記者の方がこれまでの経過を報告する会のようです。
東京ですので行く事が出来ませんが、内容がとても気になりますね。
今回の件で、毎日新聞によるセンセーショナルな記事だけを読まれた方は公立福生病院で起こった事に憤りを感じたと思います。
そこで、他紙の記事や学会の声明などをきちんと読むと、考えが変わるかもしれませんね。
ざっと、最近の経過を記載してみました。時々医療従事者が問題を起こし報道される事も有りますが、多くの同業者が本当に患者さんを良い方向に導く為に努力していると言う事を最後に記載しておきます。
今回の件は、今後も透析従事者として注目していきたいと思います。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。