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2017.03.09
一般

BCPカードの作成

援腎会では、東日本大震災を経験して、その時に感じた事や思った事を多くの皆さんに伝えていきたいと思っています。

先日も北九州にお呼びいただき、震災についてお話させて頂きました。

今回は、災害対策のお話をちょっとしたいと思います。

皆さん、BCPをご存知でしょうか?

BCPとはBusiness Continuity Planの略であり事業継続計画を意味しています。

企業・病院が自然災害・大災害・テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

災害マニュアルでは、災害等の被害を想定して患者の安全確保や被害を少なくするための必要な対策・措置を講ずるものであり患者を主体と考えています。

BCPは、事業を継続するためには第一にスタッフの安全確保・状況確認を行うことを優先し「スタッフ」に視点をおいたマニュアルともいえます。

今回我々援腎会では、以前からあった災害マニュアルだけでは不十分と感じ、スタッフが中心となり透析クリニックとしてのBCPの策定を行いました。

同時に、スタッフ携帯用の災害対策携行カード(以下、BCPカード)の作成も行ったのでご紹介します。

 

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三つ折りのカードで上が表面、下が裏面です。

よく「BCPカードとアクションカードは何が違うのか?」という質問がありますが、

アクションカードは、災害時におけるスタッフの「行動指標カード」であり、緊急時における職種別の初動対応を目的に作成されています。

今回、当院で作成したBCPカードはスタッフの安全確保・状況確認を目的に作成されていますので、BCPカードとアクションカードは全く別のものだと思います。

 BCPカードの主な運用方法としては、

①      災害時緊急連絡 メールでの確認

②      171「災害伝言ダイヤル」電話での確認

この2つを使用しスタッフの安否確認・状況確認を行います。

また災害時には、援腎会として活動を行う為、災害対策本部をすずきクリニックに設置し「あさか野泌尿器透析クリニック」のスタッフの安否確認も2つのツールを使用し行います。

スタッフには、カードの記載内容の説明だけでは、浸透させることはなかなか難しく患者さんと同様に半年に1回、災害伝言ダイヤル訓練と メールによる訓練を行っております。

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スタッフの安否確認方法手順でありますが、

①      携帯メール一斉送信・災害伝言ダイヤル(171)を利用

②      携帯メール一斉発信1時間後(未回答者)

③      携帯電話、自宅電話に連絡(未回答者)

の順番で連絡がとれるようにしています。

携帯メールでは、各スタッフからの安否情報を4桁の数字で返信してもらいます。

数字の意味は携行カードに記載してあります。災害伝言ダイヤルでは、スタッフへの指示を録音しており、メールを使用しないスタッフへの安否確認も兼ねています。

 

今までの災害対策ですと、どうしても患者さんや周辺医療機関との連絡ということに目が向いてしまっていましたが、これからはスタッフ間でもきちんと安否が確認出来る体勢を作っていかないといけないと考えております。

今後はBCPマニュアル・BCPカードを土台とし災害マニュアルの定期的な見直し、災害が実際に起きた際に、早急に復旧できるような環境づくりをしていきたいと思います!

 

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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