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- 2016.07.24
- 一般
『世界で一番売れている薬』読み終わりました。
先日、脂質異常症の講演会がありました。
演者の先生がお勧めしていた本が『世界で一番売れている薬』と言う本です。
是非とも読んでみたいと思ったのですが、発売されたのが2007年と古い本でしたのでAmazonで探しても見つからず、偶然セブンアイで1冊だけ発見して購入できました。
この本は、高脂血症治療薬であるスタチンという種類の薬を発見した遠藤章博士について書かれている薬です。
現在では、スタチンが販売されてからかなり長い時間が経過していますので、ジェネリック医薬品がたくさん販売されており売上高は下がっていますが、10年前は世界中で3兆円の売上があった題名通り世界で一番売れていた薬です。
この本には、遠藤博士の生い立ちや、開発までの経過、そして米国大手製薬会社との駆け引きなどが書かれています。日本で発見されたのに、何故日本で最初に製品化されなかったのかなどが書かれています。
最近、週刊誌でスタチン内服で横紋筋融解症と言う副作用が出て危険だと言うことが書かれているようです。
横紋筋融解症の発症頻度は薬剤によって異なりますが、The New England Journal of Medicine と言う雑誌に載った論文によると、メバロチンでは8136万処方で3例、クレストールで9919万処方で19例、リピトールでは1億4036万処方で6例との事です。しかもこの副作用は投薬開始直後に起こることが多く、長く飲んでいる方で発症する事は少ないと言われています。
どんな薬でも副作用がありますが、内服によるメリットと副作用が起こるリスクを考えて我々も処方しております。
ちょっと本論から外れてしまいましたが、読んで良かったと思える本でした。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。