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- 2015.03.30
- 一般
腎臓病と栄養・代謝・食事フォーラム2015 に参加してきました
3月28日に東京の帝京大学で行われた
腎臓病と栄養・代謝・食事フォーラム2015
に参加してきました。
セッション 3 で
演題12.透析患者のリンの出納について考える
も発表してきました。
この会は保存期慢性腎臓病に対する低タンパク食の治療効果についての演題が多く、栄養士の方達がたくさん参加されていました。
僕の演題で訴えたかったことは、
透析患者のリンの出納を考えると、一般的な週3回4時間透析ですとリンの除去量は週辺り3000mgくらいとなり、たとえば体重が60kgの方でリン値が正常だと、蛋白摂取量を換算すると0.67g/kg程度となり、1日0.9-1.2 g/kgと言われている透析患者の蛋白摂取量の基準より大幅に少なくなってしまうと言う事です。
つまり、データがいいねと褒められている患者は、摂食障害の患者かもしれないと言う事を多くの透析従事者に知って欲しいと言う事でした。
特別講演1は東京共済病院腎臓内科の神田英一郎先生、『 食事による酸負荷の慢性腎臓病に対する影響 』
腎不全保存期の方のアシドーシスが腎機能悪化に対する影響を詳しく解説してくれました。
特別講演2は帝京大学薬学部の金子希代子 先生、『 知っておきたい食事中のプリン体 』
食品に含まれるプリン体のお話でした。
この講演はおにぎりのお弁当が出て美味しかったです。
プリン体は核分裂の多い食材に多く含まれているようで、たとえばアスパラガスの芽の部分は多く、茎の部分は少ないようです。
レバーでも、鶏レバーに多く、脂肪肝のフォアグラで少ないなんて知りませんでした。
ちりめんじゃこがダントツにちりめんじゃこが断トツにプリン体含有量が多いと言う話を聞きながら、ランチのおにぎりがたまたまでしょうけどちりめんじゃこのおにぎりであることに気づきました。
そして最後の特別講演3は聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科の柴垣有吾先生
『 腎不全患者の栄養管理を再考する:超高齢化社会を迎えて 』
と言う演題名で、高齢者の栄養管理についてお話くださいました。
この会では、0.5g/kg/day以下の低たんぱく食とかかなり積極的な食事療法が報告されています。
この様な治療では低栄養となってしますリスクがあり、通常よりも高カロリーの食事が要求されます。
主食はデンプン米を使用して、補助食品なども多数必要となります。
方法としては、全体の摂取量を減らすことで蛋白摂取量を減らし、そこに高カロリーの補助食品を追加する事が多いようです。
ですので、このような治療は今回の研究会に参加されたような専門知識を持つ専門医の先生方や管理栄養士の方達が必要となります。
ただ、そのような方達の人数は非常に少数であり、指導出来ても高齢者を中心に指導を受けても治療が継続出来ない方達もたくさんおります。
全体の摂取量を減らすだけでは、栄養状態は悪化して腎機能も悪化してしまいます。
その事を念頭に様々なお話をして下さいました。
そして、ガイドラインに書かれている治療が継続出来ない高齢者がたくさんいて、その方達に見合った治療を行っていくことが大切と言う話に感銘を受けました。
また来年も演題を持って参加したいと思います。
次回は、当院のしっかり透析によって栄養状態が良くなった方達の事を報告したいと思います。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。