Warning: Use of undefined constant HTTP_USER_AGENT - assumed 'HTTP_USER_AGENT' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/enjinkai/www/wp/wp-content/themes/enjinkai/functions.php on line 63
2013.12.01
診療
研究

長時間透析研究会in長崎のスライド3

まず、

時間延長と比べると、高血流の効果は少ないのではないか?

と言う疑問です。

それで、一般的に行われているQBであるQB250ml/分と当院ではかなりの人数で行っているQB400ml/分について、前希釈on-lineHDFで検討しました。

透析時間は、QB250ml/分が長時間透析である6時間
QB400ml/分が5時間で比較しました。

使用した透析膜は、ニプロ社製マキシフラックスMFX-21Secoを使用して、totalQD=600mL/min、QS=200mL/minで行いまいた。

 

対象とした方はスライドのごとくです。

長時間透析である6時間QB250ml/分よりも5時間QB400ml/分の方が、除去率でクレアチン、α-1MGで、除去量ではα-1MGで有意に多いと言う結果でした。

 

クリアスペースでも比較しました。
クリアスペースは、対象とする物質が透析後に何リットル分ゼロになったかを表す数値です。
指標によっては、全く同じ条件で透析しても前値の違いによってデータが変化してしまう事があります。
そのため、前値の影響がないように補正したものがクリアスペースです。

 

β2MGは両群ともに10リットルを超えていましたが、α-1MGは0.8リットル程度でした。
クリアスペースでみると、6時間QB250ml/分と5時間QB400ml/分で差がありませんでした。
血流を上げる効果が示せたのではと思います。

 

アルブミン漏出量は5時間QB400ml/分の方が有意に多かったです。
しかしアルブミン1g当たりのα1MG除去量は変わりなく、両群共にアルブミン漏出量は少なく、通常の使用でも全く問題ない結果でした。

 

6時間QB250ml/分と5時間QB400ml/分のデータ比較を行いましたが、有意な差は認めませんでした。
溶質除去のみから考えると、5時間QB400ml/分は6時間QB250ml/分に匹敵すると思われました。

じゃあ、6時間はしなくてもいいねという話になりそうですが、そうではありません。
透析はやればやるほど良いと思います。

 

可能な患者は6時間QB400ml/分にすればいいのです。
ただ、6時間だと体格の小さい方ではQB400ml/分は抜けすぎになるかもしれません。
現在、当院では週4回5-5-5-4時間QB400ml/分の方が3名いらっしゃいます。

たくさん食べる方達ですので、現時点ではQB400ml/分継続中です。
ただ、注意深く観察していないと、食べれない状態が続くと抜けすぎが起こる可能性はあります。これは付け加えておきます。

以上、高血流の効果がお示しできたのではと思います。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

カテゴリー

月別アーカイブ

サイト内の記事を検索

よく読まれている記事

リンク