2013.05.02
診療
研究

GAMBROの温故知新

GAMBROと言う透析メーカーが、“温故知新”と言う小冊子を出しています。
たまたま、AN69膜が誕生して40周年の記念誌を読みました。

神戸にある坂井瑠美クリニックの坂井瑠美先生の記載が素晴らしかったです。
坂井先生は、40年前から透析医療に従事している我々の大先輩で、隔日透析、オーバーナイト透析、在宅透析など、常に時代をリードした治療を行っていてる先生です。

坂井先生の文章には、たいへん重みのある言葉がいくつも書かれていました。
印象に残った文章を転記してみました。

透析中の血圧低下やショック、下肢のつりなどが起こらない透析には、膜の選択もさることながら、私は“時間が必要”だと思っている。

40年以上も透析にかかわって以下の事だけは確信出来る。即ち、
高血圧、貧血、意欲低下、集中力の低下、痒み、皮膚の色素沈着、骨、関節の痛み、Restless Legs syndrome、四肢の不随運動、ピクツキ、発汗異常、胃腸の運動障害、口腔乾燥、味覚異常、食欲低下、口臭、不眠、痩せ・・・等々は、全て尿毒症の症状であり、透析不足で出現する

1日24時間、週168時間働いている「腎臓」の肩代わりを、たった12時間の透析では、生命維持のためらならともかく、症状をとることは不可能であると私は考える。

最近は、透析患者の痒みに対しての新薬が出て、患者の大いなる福音になっている様だが、「1カプセルがダイアライザーの購入価より高い!」のをご存知であろうか。

良い膜で、時間、回数を駆使すれば、元気で健常人の平均寿命に近づくとも思っている。

私が今まで「一番感動した」のは、岩見沢クリニックの千葉栄市先生が、新たに透析室を作られたことである。6時間、6時間、6時間、3時間の週4回の透析を、今いる全ての患者さん(120〜130人)に実践する為だけに20床も増築されたのである。

“もし自分が、また、大切な人が、腎不全になったらどんな透析を望むのであろうか?”“もう少し自由度のある透析をして欲しい”と願うに違いない。
あなたが透析患者になったら、通常“当たりまえだと考えられていること”が、今多くの施設では許されないのである。透析治療は“週3回4時間”でせねばならないと言う呪縛から医療スタッフが解放されてはじめて、“患者との人間関係はよくなる”と思う。

ゴールデンウィーク後半初日から堅い記事となりましたが、援腎会すずきクリニックも同じ気持ちを持って頑張って行きたいと考えております。

2013.05.02
診療
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生活 / くらし

増築工事7

昨日とうとう増築部分を被っていたシートが外され、個室透析センターの全貌が見えるようになりました。
外観は既存棟と同じ色合いで同一施設であることを印象づける感じです。
入口部分の雨よけの先は将来非常用発電機を設置する予定です。

昨日は、午後の空いている時間にスタッフと共に新棟の内部を見せてもらいました。

透析室の天井部分に断熱材が敷き詰められていました。
見るたびに完成が待ち遠しくなります。

玄関の入口には、小さな侵入者の足跡が残っていました。
小さな侵入者はご愛敬ですが、泥棒さんは御免被りたいですね。

明日からゴールデンウィーク後半が始まります。
今日もやや寒かったです。
まだまだ、気温の変動が激しい時期のようです。
お身体に気を付けてください。

2013.05.02
診療
仕事 / 職場

昨日の出来事

郡山の看護学校在学中に当院でバイトを続け、進学のため東京の看護学校に通学していた橫田君が、看護師試験合格の報告のため遊びに来てくれました。
東京では日中准看護師として働き、夜間看護学校に通っていました。
もちろん職場は透析室です。
将来は透析のエキスパートナースを目指すそうです。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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