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病腎移植「先進医療なら将来に禍根」-移植学会などがけん制
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120816-00000007-cbn-soci
昨年、医療法人徳洲会が臨床研究を行っている病気腎移植について、一部の健康保険が認められる先進医療の適用を厚生労働省に申請しました。
今回、日本移植学会が記者会見し、小径腎がんの患者さんをドナーとする病腎移植の先進医療適応についてあらためて反対を表明しました。
ここで、小径腎がんの患者さんをドナーとする病腎移植について解説したいと思います。
これまで行われてきた病気腎移植は、小径腎癌、尿管癌、良性腎腫瘍、尿管狭窄、腎動脈瘤、難治性ネフローゼ症候群などです。
ただ、難治性ネフローゼ症候群に対して両側腎摘出術を行うことは論外であり、尿管癌は再発のリスクが高い疾患です。
更に、尿管狭窄や腎動脈瘤で手術適応となる場合は非常にまれであり、小径腎癌が病気腎移植の対象となることが多いです。
小径腎癌を移植腎として使用する場合は、腎臓を摘出後腎癌の周囲を切除して移植します。
最近の知見では、小径腎癌の部分切除後に再発するリスクは腫瘍径が4cm以下であれば再発率は0.8-1.6%と非常に低いようです。
ですから、摘出後に部分切除して移植する治療法を病腎移植の先進医療として徳州会が申請しているのです。
それならば、小径腎癌は摘出しないで部分切除すればいいのではと言う考えも出てきます。
実は、これまで腎臓は2つあるので片方を取ってももう一つあるのだから大丈夫という考えがあり、部分切除は積極的に行われておらず、摘出してしまうことが多かったです。
最近では、慢性腎臓病という概念が盛んに言われるようになり、腎機能が低下すること自体がリスクであり、できるだけ腎機能を温存する方がいいと言う考えに変わってきています。
更に、以前は部分切除は技術的に開腹手術でないと難しく、低侵襲の腹腔鏡手術を患者さんが希望した場合は腎摘になってしまうことが多かったのですが、最近では腹腔鏡手術でも腎部分切除術が積極的に行われるようになりました。
以上のことから今後は小径腎癌の治療の治療が腹腔鏡下の腎部分切除術にシフトしていくことは明白です。
よって、小径腎癌の腎臓を修復腎として移植することは、家族が透析を受けている場合などの限られたケースとなるのではないかと思います。
他にもドナーの選定方法など病気腎移植には様々な問題がありますが、最も問題となる小径腎癌を移植に使う場合の問題点について書いてみました。
文献)
http://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。