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2012.07.22
診療
研究

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討5

 

ヘモグロビン値の変化です。
Hurotらは、透析患者へのL-カルニチン投与は貧血の改善に効果的であると報告しています。

ヘモグロビン値は若干上昇している傾向にありますすが、有意な差はありませんでした。
ただ、ヘモグロビン値は10-11くらいの値になるようにESA製剤の量を調節していますから、当然の結果かもしれません。

そこで、この期間に使用したESA製剤の量です。
患者さんによっては、ダルベポエチンを使っていた方も居ますし、エリスロポイエチンを使用していた方もいらっしゃいます。
そのため、ダルベポエチン1単位をエポエチン200単位に換算して計算させていただきました。

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週あたりのESA製剤使用量に有意差はありませんが、週あたり4693単位が2727単位と減少していました。
しかも、栄養状態の悪いGNRI91未満の方9名では、週あたり7176単位が2694単位に減少していました。

これだけ投与量が減っても有意差が付かなかった理由ですが、スライドの下方に週あたり9000単位以上ESA製剤を使用していた割合に注目ください。

週あたり9000単位以上ESA製剤を使用していた方は、投与前22名中3名でしたが、6ヵ月後は0名という結果でした。
つまり、大量にESAを使用しなければならない方が減ったことと、それ以外の方は小さな変化だったと言う事が言えます。

カルニチンの貧血に対する効果については、貧血が改善しない症例も一定の頻度で存在することも言われています。
しかし、エリスロポエチン抵抗性の貧血にある一定の効果があるのでしたら、これは大きな事だと考えております。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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