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2012.05.03
研究
生活 / くらし

原子力規制庁について

 

今年の1月に原子力規制庁の発足が決まったのですが、4月1日に施行される予定が「物理的に難しい」と言う話になり、その後全く規制庁発足についての報道を聞かなくなりました。

現状はどうなっているかを調べたところ、最近やっと政府案に対する自民、公明両党の対案が出されたのですが、自民党が消費税増税関連以外の法案を審議拒否しているため、議論が進んでいない様です。

原発事故で苦しんでいる我々福島県民にとっては、非常に残念な事です。

 

とりあえず、政府案と自民、公明両党の対案について調べてみました。

 

政府の案では、規制庁を環境省の外局と位置付け、原発事故などが発生した場合、首相が電力会社に対応を指示するなど、権限を首相官邸に集中させるものです。
さらに、「原発の40年廃炉」や「バックフィット制度導入」、「シビアアクシデント(過酷事故)対策の法制化」を唱えています。

自民、公明両党の対案は、公正取引委員会のように、国家行政組織法三条に規定され独立性の高い原子力規制委員会を発足させ、有事の際は委員長が電力会社に対応を指示する法案ですが、「原発の40年廃炉」や「バックフィット制度導入」、「シビアアクシデント対策の法制化」は入っていない様です。

出来れば、両方の案のいいところを取って規制庁を発足させて欲しいです。

政府案の「原発の40年廃炉」には「例外」がある事も問題です。
原力会社が延長を申請して審査の結果問題無ければ最長20年も延長が認められ「抜け穴」となる可能性が指摘されています。

「シビアアクシデント対策の法制化」は、現在のシビアアクシデントが起こっても規制が無く、対策を事業者の自主的な努力にゆだねていると言う信じられない状況を改善させると言うものです。
これは最低限の事も行っていなかったと言う話ですね。

これまでも、既設原子力施設の安全性評価(バックチェック)と言う制度がありました。
2006年に出来た新耐震審査指針を踏まえて、それ以前に出来た原発の耐震安全性を確認するように事業者に指示はしているのですが、指示しただけで、問題があっても運転を停止させる効力も無く、さらに安全性の確認自体が数年経っても進んでいなかっと言うことです。

今回の、「バックフィット制度」は、「古い世代の原子炉を、新しい世代の原子炉の安全基準に適合させる制度」です。これは、原発運転再開の条件となるものです。
当たり前の制度だと思いますし、首相や経済産業相がこの制度を無視して原発を再稼働させる事はおかしな事だと思います。

最近、全国ニュースで原発事故関連の話題がほとんど聞かれなくなりました。

でも、福島の新聞は相変わらず1面トップで原発事故や放射線の話題です。

県外に出ると、原発事故はもう過去の話の様に聞こえます。

現在進行中であることが忘れ去られた印象もあります。

やはり、今後も福島のこと、原発事故のこと、低線量被曝の事を書いていかなければと考えています。

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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