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2012.03.28
生活 / くらし
その他(一般)

「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本」

福島大学の放射線副読本研究会と言うところが出している「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本」と言う読み物があります。

https://www.ad.ipc.fukushima-u.ac.jp/~a067/FGF/FukushimaUniv_RadiationText_PDF.pdf

 

文部科学省が昨年 10 月に小・中・高校生向けの放射線副読本を作成したのですが、事故に関する記述がほとんどなく、健康への影響を過小しているなど内容が偏っていると指摘されています。

そこで、福島大学の教員有志が独自の副読本を作製しました。
福島で放射線の被害に遭っている我々にとっては理にかなった内容で、これまでの考えが整理出来ます。
以下に、内容のポイントを書きましたので、ご覧になってください。

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放射線と被ばくの問題を考えるための副読本

副読本のポイント

 自然の放射線は身近にありますが、人工の放射性物質による放射線は身近にはありません。

 無用な放射線は出来るだけ浴びないに超したことがありません。

 いわゆる「低線量被ばく」による健康影響については未だ解明されていません。

 放射線の被ばくによる健康リスクを考える際には、便益(ベネフィット)や負担の公平性についても考慮されなければなりません。放射能に汚染された地域での無用な被ばくには便益は伴っておらす負担にも不公平性が有ります。

 「原子力の安全神話」は原発推進側に偏った教育・広報によってつくられてきました。二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、教育や広報における公平性を追求するとともに、一人ひとりが判断力や批判力を育むことが大切です。

放射線と被ばくの問題を考える際のヒント

 放射線は正しく怖がることが大切です。

→低線量被ばくについてはその影響は解明されていません。専門家でも安全と考える立場から小さくてもリスクはあるとする立場まで捉え方に幅かあり「正解」は出ていません。
つまり、「怖がり過き」を「間違い」と断定出来る根拠はありません。

 放射能のことを心配し過ぎる方が健康によくない

→誰が不安の原因を作り出したのか、誰が責任を負うべきなのか、その最も重要なことを忘れて発言することがあれば、その言葉は被害者をさらに傷つけ逆に加害者を助けることになりかねません。

 「低線量被ばくは安全」と言っている学者が「余計な被ばくは出来るたけ避けた方かよい」とも言っている。

→安全と言っておきながら、一方で危険かもしれないと言っています。

 年間 100mSv の放射線被はくによるかん死亡者の増加割合は 0.5%たから,たいしたことない

→その 1000分の1の確率を想定の外において対策を行わすに事故を招いた人々に、1000 分の1を軽視するようにアドバイスされるいわれはないでしょう。

 放射線よりもタハコや自動車の交通事故の方か危険だ。

→放射線被はくと日常的なリスク要因を同列に扱うことか果たして妥当かどうか。
少なくとも 3 つの論点か考えられます。

1 点目 そのリスクを個人で管理できるかどうか
→放射線に汚染された地域では、ここの力ではその被ばくを完全に避けることは出来ない

2 点目 そのリスクに伴う便益(ベネフィット)があるかどうか
→放射能の汚染による被ばくは何ら便益をもたらさない

3 点目 リスクの代替か妥当かどうか。
→性質の異なるリスクの比較は、危険性の目安にはなってもそれを許容させる根拠にはなり得ない

 福島の原発事故で死者は出ていない。津波による被害に比べて深刻に扱われ過ぎだ

→人災である原発事故には「加害者」がいます。その道義的責任の有無における重大さを考慮する必要があります。また、実際に原発事故に伴う避難の際に犠牲になった人々や、放射能汚染を苦にして自殺に追い込まれた人々もいます。

 リスクを見つめ,今を大切に生きることが人生を豊かにする

→リスクの認知は、その不確かさという特性から、人の心の不安を増大させることはあっても豊かにすることはますあり得ません。

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このような状況ですから自主避難する方が多数いてもおかしくありません。
その選択はここの考え方によるもので、どのように考えるかは尊重されなければなりません。

しかし、内部被曝を十分に注意して、ホットスポットを避けて生活していけば普通の生活も可能です。

最近、行政や学校が、どんどん安全宣言を出してこれまであった規制を外そうとしています。
我々父兄が安心して子育て出来るように、より住民サイドの考えに立って行動して欲しいです。

我々家は、このような状況でも福島で生活し子育てをしていく事を選択しています。
そして、〝福島県で子育てをしていく現在の状況をこれからも訴え続けていくつもりです。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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