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2011.10.29
診療
研究
仕事 / 職場

時間延長の為に必要なこと

https://enjinkai.com/society/2011/06/56.html

今年の日本透析医学会総会で、透析量を増やすと血圧が下がると言う事を報告しています。
透析量を増やす為に最も重要な要素は透析時間です。

これまでも長時間透析の良好な治療成績は、たくさんの施設から報告されてきています。
多くの方が時間を延ばすことで体調の良さを自覚して、再度時間が短くなることに抵抗するようになります。
5時間透析をしている方に震災直後は3時間透析をしなければなりませんでしたが、多くの方が早く時間を5時間に戻して欲しいと訴えました。

しかし、時間を延ばすことを勧めてもなかなかOKを出してくれない方もいます。
単に時間が長いという事を苦痛に思う方もいるかもしれませんが、透析中に耐えがたい症状が出てきてしまうため、時間を延ばす事をいやがる方もいます。

だから、透析時間を延ばすためにとても大切なことは、透析中の愁訴を取って上げる事です。
もちろん、時間を延長すれば多くの場合愁訴も取れるのでしょうが、毎回調子が悪くなるような方には酷な話かもしれません。

透析中にむずむず足の症状が出てくる方は、早く終わってくれと訴えます。
時間延長を勧めるのは難しいです。
透析中に生じる頭痛などもそうです。
一つ一つ何が原因となっているかを考え、なんとかそのような愁訴がない透析が出来ないかを考えます。

レストレスレッグ症候群に対しては、先日のHDF研究会で橋本クリニックの櫻井先生が、α-1マイクログロブリンを積極的に除去する方法を報告しました。
当院でも最近試みていますが、効果があるようです。

透析後半、毎回のように頭痛が生じる方がいます。
注意深く観察すると、除水を停めると良くなるようです。
毎回の体重増加は1.5kgと多くありません。
この方には、透析前半で除水をしてしまい、後半は除水を停めることとしました。
グリセオールの使用もいいかもしれません。

このぐらいは仕方が無いのではと言う妥協はなるべくしたく有りません。
その部分と戦うのが透析医の力量ではないかと考えています。

透析中の症状を取ってあげる方法を考えて、上手くはまって訴えが収まって、これなら時間を延ばしても大丈夫と言われれば、しめた者です。

透析医の醍醐味でしょうか。
無愁訴透析をめざし頑張ります。

追伸)
これは、実は常に患者さんを診ているスタッフに取っても同じで、最も大切なことです。
MEさんにとっては、ダイアライザーを変えること、除水方法をかえること、透析液を変えることなど、たくさんの方法をもっていますよね。
実は医者よりたくさんの手段を持っているかもしれません。

注意深く観察して、その方が何が困っているのか、どうしたら良くしてあげられるのかを考えてみて下さい。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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