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2011.08.11
診療
研究
仕事 / 職場

透析クリニックが被災して 9

震災から5ヵ月が経過しました。
3月11日に透析治療中、緊急離脱した時の状況ですが、ベッドから患者さんが転落したり、針が抜けてしまう様なことはありませんでした。
ただ、揺れはとても強く、透析装置につり下げていた鉗子が落下して地面に散乱してしまうくらいでした。
透析を始めたばかりであり、止血バンドがバックの中にあったり、回収セットに消毒液が入っていなかったり、さらに一部はベット上から落下し散乱していました。

回収を行える状況でなかったため、緊急離脱をすることになりましたが、離脱法が統一化されてなかったため、回収方法は個々のスタッフの判断で行いました。
皆必死でした。

緊急離脱を行った10名の離脱方法です。
スタッフが落ちた鉗子を拾い集め、鉗子をかけて離脱させ、シートで包んで、シャント肢を保護するように患者さん達に持ってもらい、1階へ誘導させました。

年配の看護師はが鉗子をラインにかけて切断して離脱させましたが、その操作がとても早かったとのことです。

院長が駆けつけたところ、まだ離脱出来ていない患者さんが残っていて、サイドテーブルにはベルトとガーゼが置いてありましたので、抜針してベルトで止血しました。

最近では、切断法は危険であり行うべきではないと言われています。
それは、いつもやっていない切断という非日常的な方法を緊急時に行うことは出来ないと言う考えからです。

今回、一部の看護師ですがこれまでの知識から切断法を知っていたためスムースに行う事が出来ました。
しかも、最も早く離脱させることが出来ました。
これは、きちんとした訓練を行っていれば、とても有効な方法であると皆実感しました。

火災などでとにかく早い離脱を行わなければならない場合には、最も早く離脱出来る切断法は有用であると思います。

この方法は、常日頃より練習することも出来ますので、当院では超緊急時には切断法で離脱することを選択することにしました。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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