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2011.08.03
診療
研究
仕事 / 職場

透析クリニックが被災して 2

援腎会すずきクリニックは、福島県郡山市にあります。
3年前の平成20年5月に開院しています。
1Fが泌尿器科外来であり、待合室が右上の写真です。
総2階の建物で、2Fが透析室となっており、30床あります。

この建物は、耐震問題で建築基準法が改正されましたが、改正後に郡山市で初めて認可された建物で、耐震については全く問題無い建物です。
ただ、この周辺は農地であり、当院も農地転用後に建築しています。

東日本大震の概要です。

震源地は、三陸沖で、震源深さが24km
規模 はマグニチュード9.0
福島県では、白河市・須賀川市・二本松市が震度6強、福島市・郡山市が震度6弱でした。

今回の震災では、津波の被害があまりにも大きく、地震による直接の被害が話される事は少ないです。
しかし、僕の印象としては郡山・須賀川地区の被害はかなりひどいと感じていました。

実際に調べてみましたが、福島県では全壊した家屋がほぼ同じ人口の福島市が161戸であるのに対し、郡山市は1879戸と10倍以上の被害となっています。

各地の全壊棟数をみても、棟数が多い市町村が津波の被害を受けた沿岸部に集中しているのに対し、内陸部で郡山・須賀川だけ際だって色が濃くなっていることが分かると思います。

福島県では、全壊した病院が2病院となっていますが、両施設共に県中地区です。
さらに、全壊では無いですが他のいくつかの病院が立ち入り禁止となりました。
インフラの問題でなく、建物の損壊によって透析室が使用不能となった病院が3病院ありました。

郡山は地盤が固く、地震には強い土地であると多くの方が思っていいました。
今回の事でビックリした人は多かったと思います。
(もちろん僕もそうです。)

以前、ブログでも紹介しましたが、この地区は湖だったという報告がありました。
10万年前に福島県中部の内陸にあったとされる古代の湖「郡山湖」の内側で、特に家屋倒壊などの被害が大きかった

「建物の老朽化もあるが、湖と被害の大きかった範囲がぴったり一致した」

今回の地震で海岸付近では揺れによる家屋倒壊は少なかったのに対し、郡山市や須賀川市など内陸部で家屋倒壊や地盤沈下などの被害が続出。

被害が郡山湖の範囲内に集中しており、特に沼地跡の周辺や河川の跡で被害が大きかったことを突き止めた。

ビックリしましたね。
これが、先ず前提となる状況です。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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