2011.04.01
診療
仕事 / 職場

医療が出来る喜び

先週より透析時間を4時間に戻し、泌尿器科の診療を開始しました。
今週になり、透析は震災以前のスケジュールに戻し、泌尿器科診療も通常通り行いました。

今、もっとも感じることは、医療=診療が行える喜びです。

震災後は、本当はいけないですが透析自体はスタッフに任せっきりで、泌尿器科診療も行っていませんでした。

院長が何をしていたかというと、震災直後は屋上の変電器がやられていましたので、変電器の修理と新しい変電器を入手する為に方々に電話をかけていました。
震災当初はほとんど電話が通じず苦労しました。
保健所にも足をはこんで行ったり来たりでした。
当院は水道がすぐに出ましたのでラッキーでしたが、他の施設は水道で大変だったようです。

なんとか恒常的に透析が出来る様になった後、職員のガソリンがなく、通えないスタッフが出てきたので、今度は県や市の災害本部、保健所、医師会、医大働きかけ、ガソリンを手に入れる様に電話をかけまくっていました。
入れてくれると言う話を聞いて警察署に出かけていって断られたりとにかく一つのことをするのが大変でした。

他施設の患者さんを引き受けて夜間透析まで行っていたのですから、スタンドの行列に並べる様な時間もありません。
そのため、スタッフの数人はクリニックに泊まり込んだり自転車で通勤して、なんとかガソリン不足に対応してもらいました。

それと共に原発事故の問題が大きくなり、とても不安な毎日になりました。
とにかくなにも解らなかったので、情報の収集と原発の勉強をしました。
この頃は、以前ご紹介した震災のメーリングリストを見たり、透析医学会や透析医会の理事の先生、福島医大第3内科の先生方から励ましの言葉をいただき何とかこの時期を乗り切る事が出来ました。

原発の不安は有りますが、体制が整ったこともあり、今週からは通常通りの診療を開始いたしました。

透析患者さんの採血も検査会社が対応してくれますので、週初めに採血したデータをチェックして透析条件の変更を行いました。
明らかにデータが悪くなった方がいなくてほっとしました。

泌尿器科外来診療も通常通りに内視鏡など検査を再開しています。

なんだか、これまで感じたことが無かったのですが、医療が出来ると言う実感がわいていて、とてもうれしい毎日です。
原発さえ収まってくれれば最高なんですけどね。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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