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2011.03.19
診療
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放射線障害について

本日夕方、郡山医師会で核医学を専門とする先生に来ていただき、ご講演してもらいました。

放射線についての正しい知識を身につけようということで、ちょっと書いてみます。
先ず用語です。

放射性物質:放射線を出す物質
放射能  :放射線を出す能力
電球にたとえると、放射性物質が電球で、放射線は光、放射能はワット数みたいなものと言っていました。
放射線の性質は光と同じで、放射線量は距離の2乗に反比例するするそうです。
1シーベルトは、10km離れると100マイクロシーベルト、20kmで25マイクロシーベルトまで減少します。

阿武隈山地も有りますので、実際に放射線が直接郡山に届くことは無いです。
原子炉は原爆にならない

原爆は、ウラン235を100%近く濃縮した燃料を使用しています。
→莫大なエネルギーが一瞬のうちに放出される

原子炉は適量のエネルギーが放出できるようにウラン235を3%程度に低濃縮しています。
さらに、反応をコントロールするために中性子を吸収する制御棒を使用していますので、原爆の様な爆発は起こらないそうです。
現在福島原発で確認されている放射性物質は、ヨード131が80%、ヨード132が20%であり、他の物質はなしだそうです。
緊急炉心停止が適切に行われた事から、それ以来核分裂が起こっていません。
そのため、中性子は出ていないそうです。

セシウムは検出されていませんが、もし出てもセシウムのキレート剤が全国から福島に集められています。

原子炉から大量のヨードが放出されても、60km離れた所にくるまでにかなり拡散されます。これは、風向きでも違ってきます。
雨が降ると落ちてくるので、状況によってはもっと遠くで落下する可能性もあります。

風に流されてくるくらいなので、時間的余裕は十分あると思われます。

ヨードが飛んできた場合の予防としては、ヨード製剤を飲むことですが、日本人は海の物をたくさん食べているので、あまり必要でないのではと言われています。

ただ、小児の甲状腺癌発生が減少したという報告もあり、40才未満の方は、飲んでおいても良いそうです。

しかし、ヨード製剤を飲むタイミングは難しく、被爆後6時間経過すると意味がなく、早すぎても駄目なのでタイミングが大切だそうです。

以上ですが、ポイントは、

放射線が郡山に届くことはない

原子炉は原爆にならないので、原爆の様な爆発は起こらない

爆発しても時間は十分ある

これらのことから、最も怖いのは風評被害のようです。

以上でした。

 

 

 

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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