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2010.06.28
診療
研究
その他(医療関連)

高透析量透析を行う上での問題点3

高透析量のオンラインHDFを開始してから10ヶ月間のGNRIの変化を示します。
GNRI (Geriatric Nutritional Risk Index)は、訳すと〝高齢者の栄養リスク評価〟です。

GNRI=14.89×血清アルブミン値+41.7×(現在の体重/標準体重)

の計算式で数値が出ます。
栄養評価の方法としてはMISを始めいくつかの方法が有りますが、透析患者さんでは、多くの方が毎月アルブミン値を測定していますので、簡便に評価できますので、使い安い評価法でも有ります。

一般的な評価基準は、

82-91 中等度栄養障害リスク
92-98 軽度栄養障害リスク
98<   リスクなし

と言う分類ですが、
管理栄養士の山田先生が透析患者さん向けの指標として発表した91.2以上をリスクなし、未満をリスクありと言う評価を今回用いてみました。

GNRIは94.4から97.9と上昇しました。
ただ、期間が10ヵ月でしたので有意差は出ませんでした。

10ヵ月後に91.2未満の5名について注目してみました。

これは、高透析量オンラインHDFを開始したときにどの様な背景が10ヵ月後の栄養障害リスクに影響するか検討した結果です。

GNRI91.2以上の栄養リスクなし群と91.2未満の栄養障害リスクあり群を比較し、10ヵ月前の状況がどうだったかを検討しています。

p値は、有意差が有ったものを赤にしました。

糖尿病ありなしは全く差が無く、年齢は栄養リスクあり群が高いですが、差は出ませんでした。

透析歴、採血結果である高感度CRP、β2MGは差が有りませんでした。

蛋白摂取量の指標であるnPCR(標準化蛋白異化率)やアルブミン値は栄養リスクあり群で低かったですが、こちらも差が出ませんでした。

差が出たのは、血清リン値、ドライウエイト、そして開始時のGNRIでした。
どうしても食べられないとリン値は低いので、栄養障害の指標となります。
また、GNRIはアルブミン値と体重から算出しますので、体重が増えていかないとGNRIが低いままとなります。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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