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2009.12.13
診療
研究
その他(医療関連)

高齢・糖尿病透析患者の栄養管理について

昨日は、郡山市内で福島県糖尿病性腎症研究会あり、特別講演でPEWという新しい概念が出てきたと言うことを記事として書きました。

その中で、ちらっと僕も発表したことを書きました。

こんなタイトルで、発表してみました。
透析をしっかり行うと、KT/Vは上昇します。
KT/Vが上がれば生存率が改善することは知られています。

これを米国では、KT/Vさえ上げればいいと勘違いしてしまい、非常に成績が悪くなってしまったことはご存じの方は多いかと思います。
つまり、血流を上げて効率を上げれば時間を短くしてもいいという風に考えてしまい、失敗しているのです。

ところで、栄養状態が悪くなれば、生存率が下がることも知られています。
そこで出てくるのが、透析をやり過ぎるとアルブミンが抜けてしまい、栄養状態が悪くなって生命予後が悪くなるのではないかという話です。

当院では現在、

透析液の清浄化
透析時間の延長(5時間透析を目指す)
血流量の増加(可能な場合は300ml/分)
オンライン前希釈血液濾過透析(12リットル/hr)

と言う治療方針で透析診療を行っています。
今回の発表で示しましたが、以上の透析を実践している(週当たり14時間以上の透析を行っている)6名中5名が、6から12ヵ月の期間で4kg以上のドライウエイトが上昇し、太ったことを発表しました。

この5名のKT/Vは1.6から2.6です。
実はKT/Vが一番高い2.6の方(女性)が転院後5.6kgも太っているんです。
時間当たりのKT/Vは予後が悪いと言われている4.5を超えています。
でも、やせの人が普通の体重になりました。
ただ、筋肉量については検討していないので、その部分は分かりません。

透析量を上げると、データが良くなるので、食事制限が緩和され、今まで我慢していた方が、我慢せず食べるようになります。
そうすると太っていくのです。

透析患者さんでは、痩せることが危険で太ることはいいことだと言われていますので、現在の治療法は間違っていないのではと現時点では考えています。

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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