Warning: Use of undefined constant HTTP_USER_AGENT - assumed 'HTTP_USER_AGENT' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/enjinkai/www/wp/wp-content/themes/enjinkai/functions.php on line 63
2009.12.06
診療
研究
その他(医療関連)

前立腺癌の治療法による副作用の研究

限局性前立腺癌の治療法、患者の機能障害に差

Smith DP et al. Quality of life three years after diagnosis of localised prostate cancer: population based cohort study. BMJ. 2009;339:b4817

オーストラリアでのコホート研究によると、限局性前立腺癌の治療法によって患者のQOLに異なる影響がある。交絡因子を調整後、対照群に比べアンドロゲン抑制療法で性機能障害、外科療法で排尿障害、放射線療法で腸障害のオッズ比が高かった。著者らは治療は患者のQOLと年齢を勘案する必要があると結論している。
————————————————————————————–
こんな研究が医療情報のサイトに載っていました。

アンドロゲン抑制療法=ホルモン療法は、男性ホルモンが出ないようにすることで前立腺癌の進行を抑える治療法です。
男性ホルモンを抑えますので、EDなどの性機能障害が副作用として起こります。

外科治療では、前立腺を手術で摘出します。
前立腺の真ん中に尿道は有りますので、その部分の尿道は前立腺と共に摘除してしまいます。
切断された尿道はつなぎ合わせることになりますので、そこに尿道狭窄(尿道が狭くなってオシッコが出にくくなること)が生じる場合が出てきます。

さらに、前立腺の周囲には尿をもれなくする為の筋肉が有ります。
筋肉の走行は人によってかなり違いますので、どうしても筋肉が前立腺の近くに有る方では、手術の時に筋肉が損傷し、術後の尿失禁になります。

前立腺のすぐ後ろには直腸が有ります。
前立腺は、あまり動くことは無いのですが、直腸に便がたまっていたり、膀胱に尿が貯まっていたりすることで、2cmくらい動くということが最近報告されています。

そのため、放射線を前立腺に照射すると、直腸や尿道の粘膜にダメージを与え、腸障害や尿道狭窄が生じることがあり、放射線療法の合併症と言われています。

今回の発表は、今まで言われていた合併症を、きちんと調査して、しっかりまとめた論文なんでしょうね。

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

カテゴリー

月別アーカイブ

サイト内の記事を検索

よく読まれている記事

リンク