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2009.03.18
診療
開業 / 病院経営
研究
その他(医療関連)

オンラインHDFについて

前回述べましたように、HDFは多くの点でHDに比べ利点が多く、非常に有用な治療法だと言われています。しかし、現状では、コストがかかる治療であり、長期間透析をやったために合併症がたくさん生じてきた患者さんなどの限られた方しか対象としていません。

これだけ有用だと言われている治療法をできるだけたくさんの患者さんに提供できないかと言う観点から考えられた方法がオンラインHDFです。
オンラインHDFは、通常のHDFで使用するサブラットと言う注射液を使用せず、透析に使用する液を直接補充液として使用する方法です。

そのため、通常のHDFに比べてオンラインHDFは、補充液が大量に置換できるメリットがあります。
HDFはたくさんろ過すればするほど効果が上がると考えられ、通常のHDFでは置換液はせいぜい多くても10リットルまででなのに対し、オンラインHDFでは50リットル以上の補液が可能です。
当院でも、一番多く使用した人で1回に72リットルという方がいらっしゃいます。

それから、前希釈オンラインHDFとすることで、不均衡が無くなり血流量を上げることができ、透析効率を上昇できます。

しかし、透析液を補充液に使用できるのは、厳重な透析液の水質管理をしている施設だけです。
通常透析液はエンドトキシンという物質で汚染されています。しかし、オンラインHDFを行うためには、細菌やエンドトキシンを測定感度以下になるまで徹底的に清浄化させなくてはなりません。

通常、エンドトキシンを防ぐエンドトキシンカットフィルターという機器を取り付けて対応しますが、根本的には透析液を作る段階からの清浄化が必要となります。

援腎会すずきクリニックでは、東レ社製の最新の洗浄消毒方法を取り入れた「トータルクリーン化システム」を導入し、徹底的に水質管理を行っています。

今回、私が援腎会すずきクリニックを開院したいと考えたのは、このすばらしい治療法を限られただけの人ではなく、透析導入間もない、まだ合併症が強く出ていない人にも提供できるようにしたいと考えたからです。
そして、『透析はつらい』、『透析はなるべくやりたくない』から、『透析をやって元気になるんだ』と思えるようになってもらいたいからです。

オンラインHDFは全国的にはかなり行われている治療法です。福島県でも最近は少しずつやられるようになってきています。
しかし、通常HDFと同じように限られた人を対象としてるのが、現状のようです。
援腎会で透析を受ける患者さんについては、希望する患者さんすべてに提供する準備をしています。

以下に最近言われているオンラインHDF利点を示します。

1.透析患者さんの予後を改善させる。長生きができる。
2.心臓への負担が少なく、血圧の低い方に有効である。
3.腎臓にもやさしいため、尿が出る期間が延長する。
4.炎症マーカーが減少して、酸化ストレスが改善する。
5.貧血が改善する。
6.栄養状態が良くなる
7.アミロイドーシスが改善する。

オンラインHDFとは、 透析者の人生の質を大きく高め、寿命も延ばすことが証明されている治療なんです。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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