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2009.03.18
診療
開業 / 病院経営
その他(医療関連)

目指す透析とは

透析は「腎臓の働きを補う治療」です。
それでは「一回4時間×週三回、血流量200 ml/分」の平均的な透析が、腎機能をどれだけ補っているでしょうか。

透析が腎臓の代わりとして出来るのは、尿素の様に小さく抜けやすい毒素について、本来の腎機能の10%強程度と考えられます。そして、尿素より大きな尿毒素は、さらに抜けにくいのです。
なおかつ、血液透析には「間欠的な治療」という欠点もあります。

さらに、広い意味の腎機能のうち、腎臓の内分泌機能は、全くといっていいほど補えていません。つまり腎機能を十分に補うのが「至適透析」であるのなら、現在の平均的な透析は、明らかに「透析不足」です。

そして、この平均的な透析、「一回4時間×週三回、血流量200 ml/分」の透析の成績は、5年生存率が60%程度、10年生存率が40%程度です。患者さんの平均年齢が65歳とすれば、患者さんの4割の方は70歳にならずに亡くなられるという状況を示しているのです。これは十分な治療成績といえるのでしょうか。

「二十年、三十年透析で元気に生きること」を想定し、二十年、三十年後の種々の透析合併症が出てくる様な時期に「最初からもっと抜いておけばよかった。」と患者さんが思っても、体に蓄積した尿毒素はもう抜けませんし、傷んだ体は元に戻りません。正に「後悔先に立たず」です。

透析治療に慣れる時期、あるいは透析生活に慣れる時期、そういった期間だけ限定で、多少緩やかな透析をすることは必要です。

 しかし、その透析患者さんが「二十年、三十年透析で元気に生きること」を前提とした維持透析をするのなら、現在の血液透析の欠点は、一回4時間という比較的短い時間に体液の量・性状が急に変化することです。これを少しでも生体腎に近づけようとするならば、「頻度を高くすること」が最も大事です。

しかし、現在の保健医療では月に15回以上の透析は認可されていません。それならば、「一回透析時間を長くすること」が重要です。

3時間では全然足りません。
4時間でも足りません。
やはり、5時間以上の透析を目指して行うべきでしょう。
長い時間の透析を行うことがいいことはよく知られていることです。

当院でも、開院以来時間延長のメリットを患者さんたちに説明してきましたが、なかなか多くの方が時間延長は難しいと話されます。
やはり、長い時間寝ていることが苦痛のようです。
時間延長を勧めている方には、なるべく透析中座って過ごしてもらい、テレビを見たり、本を読んだりして過ごすよう話しています。

時間延長が難しい方でも、少しでも効率を上げる治療を提供できたらと考えています。それで、透析時間の次に考えることは、透析量を増やすことになります。
透析の血流を上げて、血液濾過透析を行うことが透析量を上げる一番の方法かと思います。

そこで、当院で行っているのが、大量補液をダイアライザーの前で行うことで不均衡が少なくなり、血流量を上げて透析量を上げることが出来る前希釈オンラインHDFです。

オンラインHDFは、β2MGを代表とする大きな物質を効率良く除去することでき、『透析することで元気になる』が実現できると考えています。

当院では、可能な方は全てオンラインHDFを行っています。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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