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2008.12.06
診療
研究
生活 / くらし
その他(医療関連)

高齢女性の頻尿

今回は、泌尿器科のお話。

頻尿の原因には、蓄尿障害が原因の頻尿と、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの排尿障害から起こる二次的な頻尿が有ります。

前者は、排出障害がないので、尿を貯めることが出来る抗コリン剤という薬が有効です。

しかし、排出障害が原因で膀胱が過敏になって起こる頻尿や、さらに重症の排出障害から残尿が多量に生じるために貯められなくなる頻尿には、抗コリン剤を使用すると症状が悪化する恐れがあります。

先日、ある内科の先生より紹介された高齢の女性はまさに後者による頻尿でした。
頻尿がひどいが、いろいろな抗コリン剤を使用してもよくならないとのことで紹介でした。

紹介されてすぐに残尿の検査を行い、残尿が多量に有ることが分かりましたので、抗コリン剤をやめてもらい、α1ブロッカーという排出障害のお薬を出させていただきました。

一般的に、前立腺肥大症などが有る場合に抗コリン剤を処方すると症状が悪化する恐れがあることはよく知られています。
原因が排出障害なので、そもそもの原因を悪化させてしまうからです。

かなりの内科の先生も高齢男性への抗コリン剤の処方は気をつけていらっしゃるようです。
ところが、女性の場合はそれほど気を遣わず処方されているようです。

ところが、女性高齢者は,排尿障害を起こしやすいリスクを男性
高齢者より,多くもっていると話す専門家もいます。

膀胱の排尿筋が老化と共に繊維化を起こしたり,女性ホルモンであるエスト ロゲンが少なくなることで尿道や骨盤底筋が固く弾力が無くなってくることなどが原因で、排出障害が起こりやすいと言われています。

他にも、精神科で使用する薬などは排出障害を起こすことがしばしばあります。

女性でも、抗コリン剤を内服する前には、排尿後の超音波検査で残尿がないことを確認してから内服することをお勧めします。

残尿検査の方法や詳細については、7月20日に記事としていますので、ご覧になってください。

http://blog.m3.com/ennjinnkai/20080720/2

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援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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