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2008.09.07
診療
その他(医療関連)

夜間頻尿について

前回夜間頻尿の原因に夜間多尿があることを記事にしました。
それで、今回は夜間頻尿について詳しく説明したいと思います。

夜間頻尿は、毎日1回以上排尿のために起きなければならない状態を言います。
症状は、加齢と共に増えていき、高齢者では半数以上の方が症状を有していると言われています。

それでは、夜間頻尿によってどの様な不具合が生じるのでしょうか。
まずは、睡眠障害をを生じることが上げられます。
そして、夜間転倒や目覚めた後のふらつきが起こり安くなります。
高齢者の転倒の3割近くは夜間トイレに行くときに生じると言われ、大腿頚部骨折の10%は夜間排尿時に起こると言われています。
著しくQOLを悪くする症状であると言えます。

原因としては、次の3つの場合があります。
1,膀胱容量減少
2,夜間多尿
3,1と2の混合

前立腺肥大症や過活動膀胱により1を生じている場合は、α1ブロッカーや抗コリン剤などの有用な薬があり、治療によって改善する場合が多いですので、是非とも泌尿器科の受診をお勧めいたします。

それで、夜間多尿ですが、睡眠中の尿量が1日尿量の35%を超える場合と定義されています。

原因としては、様々なものがあります。
まずは、高血圧や動脈硬化、心不全によりホルモンバランスが変化して夜間多尿となる場合。糖尿病や内服している薬による影響。睡眠時無呼吸症候群でも夜間多尿を生じると言われています。

治療としては、まずは水分の取りすぎを是正しましょう。
よくテレビの健康番組で寝る前の水分摂取が脳梗塞や心筋梗塞を防ぐと言われていますが、そのような根拠を示すデータは無いようです。
夜間の転倒のリスクなどを考えますと、夜間頻尿のある方ではお勧め出来ないような気もします。

夜間多尿の場合、夕食後の水分を控えることが有効です。特にお茶やコーヒーなどの利尿作用のある飲み物は避ける方がいいでしょう。

お薬ですが、少量の利尿剤を午後から夕方の早めの時間に内服することで、寝る前に尿を出してしまい夜間の尿量を減らす方法があります。
また、原因となる糖尿病や睡眠時無呼吸症候群の治療を行うことも重要です。

以上、夜間頻尿について徒然に書いてみました。
困っている方は、どうぞ泌尿器科を受診してみてください。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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