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残尿検査
昨日に引き続き、残尿検査についてお話しいたします。
残尿検査の方法は、尿道からカテーテルを入れて尿を抜いて実測する方法と、超音波検査で膀胱に残っている尿を画像上から計算して見る方法の二通りがあります。
当院では、痛みのない超音波で調べる方法をとっています。
「下部尿路機能ポケットマニュアル」西澤 理(信州大学医学部泌尿器科)監修、メディカルビュー社より引用
なぜこの検査が必要かを説明します。
勢いが悪くても、どうにか出し切れるなら、それは排尿障害があっても、許容範囲であると考えられるからです。
しかし、尿が出し切れず、残尿を生じるまで前立腺肥大症が悪化しているなら、治療が必要な状態であるといえます。
まず始めに行う治療は、α1ブロッカーという種類の薬の投薬になります。
これは、尿道を広げてオシッコを出しやすくする薬です。
この薬が出るようになってから、前立腺の手術が劇的に減ったと言われています。
α1ブロッカーを飲んでも、残尿が常時100CC以上であるなら、内視鏡的な前立腺を削る手術や、手術が出来ない場合には、細い管を使って自分で尿を抜き取る自己導尿という方法を選択する必要が出てきます。
なぜ、残尿が多いと問題なのでしょうか。
それは、前立腺肥大のため尿が出し切れなくなると、膀胱がどうにか尿を出そうとしますので、かなりの負担がかかるようになります。
そのような状態が長く続くと、膀胱は徐々に変形していき、オシッコを排出する力が無くなっていき、尿閉という状態を繰り返すようになります。
慢性的な尿閉状態が続くと、腎臓への尿の逆流が生じ、腎臓の機能が悪くなる場合があります。
実際に、それが原因で腎不全となり、透析が必要となってしまった人を時々見かけます。
また、常に残尿がある状態が続くと、細菌が付きやすくなり、腎盂腎炎や前立腺炎、精巣上体炎などを起こす事もよくあります。
そのような場合には、しばしば高熱を出します。
そして、腎盂腎炎を頻回に繰り返すと、腎臓の機能が次第に悪くなっていきます。そのような状態は逆流性腎症と言う病名で言われており、こちらも悪化すると腎不全となり透析が必要になる疾患です。
このように、残尿検査は尿流測定検査とともに重要な検査なのです。
是非とも残尿検査を受けられると事をお勧めします。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。