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2008.05.01
診療

透析患者さんが長生きできるために

引き続き、透析療法のお話ですが、今日は、『透析患者さんが合併症なく長生きできる』方法について、解説します。

一般には、腎不全が進行し、腎臓の機能が通常の腎機能の30%以下になると、食事制限や、薬によるコントロールが必要になります。
そして、制限や治療は、「腎臓の働きを補う治療」であるはずの透析を導入しても続きます。なぜでしょうか。

透析で除去できるのは、尿素の様に小さく抜けやすい毒素についてでも、通常の腎機能の10数%くらいです。
しかも、分子量の大きな尿毒素は抜けにくいことと、腎臓と違って連続して治療できないと言う欠点も有ります。
また、腎臓から出るホルモンについては、透析では全く補えません。
すなわち、現在の「一回4時間×週三回、血流量200 ml/分」の平均的な透析治療は、腎臓を補うためには十分でないのです。

以前は長期透析の合併症はよく分かっていませんでしたが、30年以上透析を続けた患者さんがたくさんいる現在では、通常の透析だけでは抜けきれずに生じる合併症がいろいろと分かってきました。

つまり、導入してから早期のうちに、10年、20年後の合併症が起こらないように十分な透析を行っていく事が大切なのです。

では、どの様な透析療法を選択すべきなのでしょうか00

現在の血液透析の欠点は、一回4〜5時間という比較的短い時間に体液の量・性状が急に変化することです。これを少しでも生体腎に近づけようとするならば、「頻度を高くすること」が最も大事です。

しかし、現在の保健医療では月に15回以上の透析は認可されていません。
そこで、患者さんの予後をよくして合併症を少なくするためには、「一回の透析時間を長くする」ことや、「血流を上げて透析量を増やす」ことが必要です。もちろん両方行うのが一番優れています。

比較的身体の大きい男性では、5時間の透析を行った方が良いでしょう。また、大きな分子量の物質を抜くためには、血液濾過透析を選択する方がいいと思われます。

通常のHD療法で血流を上げると『つらい透析』となることがしばしばです。それで、大量補液を行う前希釈オンラインHDFを行うと、血流を上げても透析中の辛さが軽減されて透析量を増やすことが容易となります。

以上、長期間の透析で生じる合併症を出来るだけ少なくするためにはどうすればいいか記事にしました。

最後に、オンラインHDFは時間を短くするためのものでは有りませんので、オンラインHDFを行うから時間を短くしてもいいという考え方は誤っています事を付け加えておきます。
時間は長い方がよく、なおかつ効率の良い透析が必要です。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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