- 2020.03.16
- 一般
熱発時に使用する解熱剤について
新型コロナウイルスについて、フランスでは14日に新型ウイルスの感染者が3661人から4499人に急増。保健当局によると、死者は91人となっているそうです。
そこで、驚くべき話を聞きました。
Twitterからの情報なので、そう言う話をしている方がいると言う程度で聞いていただきたいのですが、フランスでは現在300人が重篤な状態で、その半数は50歳未満の比較的若い人だというのです。
これまで、新型コロナウイルスは高齢者が重篤化すると言うのに、フランスではどうなっているのかととても不安に感じました。
そうしたところ、Y!ニュースに下記ニュースが載りました。
コロナウイルスにかかったら飲んではいけない薬:フランスの厚生大臣が発表(今井佐緒里) – Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20200315-00167830/
フランスの厚生大臣が、新型コロナウイルスに関して、イブプロフェンを服用しないようにと声明を出したそうです。
新型コロナウイルスにかかっている方がイブプロフェンを服用すると、既にかかっている感染症を悪化させ、合併症を伴わせる可能性があると言っています。
熱がある場合は、アセトアミノフェンを服用する様にと言うメッセージを送ったとあります。
実は、インフルエンザでも同様の事が言われており、小児や高齢者のインフルエンザに伴う発熱に対してはアセトアミノフェン(カロナール、ピリナジンなど)を使用することが推奨されており、その他の解熱剤の使用は慎重にすべきだとされています。
使用を避けるべき薬としては
サリチル酸系解熱鎮痛薬であるアスピリン、バファリン、PL顆粒、ペレックス顆粒などや、市販の風邪薬。そして、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)とメフェナム散(ポンタール)などです。
複数の医者が、発熱のためにイブプロフェンを服用した後、併存疾患がないにもかかわらず、重篤な状態に陥ったコロナウイルスの若い患者の例を挙げていると書いて有ります。
熱発時にはアセトアミノフェンを飲んでおく方が無難かと思います。
ただ、熱が無い頭痛や尿管結石などの痛みに対しては、ボルタレンや通常の消炎鎮痛薬を使用すべきなので、なんでもかんでもという話では無い事を最後に付け加えておきます。
- 2020.03.14
- 一般
ビニールゴミ袋でエプロン作成
現在、医療機関でもマスク、アルコールが不足してきていますが、ガウンや使い捨てエプロンの入手も厳しくなってきています。
沖縄県立中部病院の高山義浩先生が
- 2020.03.11
- 一般
新型コロナウイルスのPCR検査について〜韓国で何が起こったのか。
ソウル聯合ニュースによれば
- 2020.03.11
- 一般
コロナウイルス対策〜消毒用アルコールがない場合の消毒・除菌
新型コロナウイルスの話題が毎日聞かれてきます。
予防する為のマスクやアルコール手指消毒剤が入手出来なくなってきています。
ジムでの感染などを考えますと、接触感染を予防する事にも重点を置く必要があります。
手指が触れる事が多いものとして、
・ドアノブ
・照明等のスイッチ
・テーブルや椅子
・電話機
・水道の蛇口
・パソコンのキーボード及びマウス・コピー機等のボタン
・便器のフタ、洗水レバー
などなど
接触感染する可能性のあるものはとてもたくさんあります。
対応としては、次亜塩素酸ナトリウムを使用しましょう。
花王さんのサイトにハイターの活用方法も書かれています。
https://www.kao.com/jp/soudan/topics/topics_107.html
尚、下記に注意してお使いください。
皮膚への刺激が強いため、直接触れないよう、必ずビニール等の手袋を使用してください。また手指消毒には使用しないでください。
消毒液が皮膚や衣服についた場合は、直ちに水で洗い流してください。
使用するときは、換気を十分に行ってください。
酸性の強い洗剤と混ぜると有毒ガスが発生しますので注意してください。
使用後は、必ず水で洗い流すか拭き取ってください。
- 2020.03.03
- 一般
武漢での透析患者さんはどうなったのか?
武漢大学人民病院の血液透析センターから今回の新型コロナウイルス発生後の状況について報告した論文を入手しました。
まだ査読を受けていないペーパーとして雑誌に掲載される前の論文であると言う事をご了承ください。
武漢大学人民病院の血液透析センターで透析を受けていた230例の慢性維持血液透析患者の内、37例(16.09%)がCOVID-19に感染ました。
そのうち6名(2.6%)の方が亡くなられたそうです。
ただ、新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなられた患者さんはいなく、重症肺炎のためにICUに入院したケースも無かったと報告されています。
死亡の主な原因は心血管および脳血管合併症または高カリウム血症です。
これは、感染の恐れによる透析回数と透析時間の短縮による透析不足が主な原因だったと論文にかかれています。
更に、採血にてCOVID-19に感染した透析患者さんは、他のCOVID-19に感染した患者さん達よりも炎症性サイトカインの血清レベルが著しく低かった事が書かれています。
COVID-19による肺炎が重症化すると、血中サイトカイン(IL-1,IL-6,TNF-αなど)の異常上昇が起こり,その作用が全身に及んで播種性血管内凝固症候群(DIC)・多臓器不全まで進んでしまうサイトカインストーム(サイトカイン放出症候群)が起こって命が奪われる事が知られています。
透析患者は免疫能が弱いのでサイトカインレベルが他の患者さん達より低く、重症化しなかったのでは無いかと考察されています。
また、透析患者さんがCOVID-19に感染すると、他の集団とは明確に異なるクラスターとなると書かれていました。
透析を受けている方は、定期的に住居や病院の間を移動しなければならず、また大きな空間で集中的に透析治療を受けるなど、感染すると、潜在的なモバイル感染源になると言う事も書かれていました。
このことは我々透析従事者に取っては悩ましい事でもあります。
ただ、透析室スタッフの33名中4名(12.12%)が罹患し隔離治療となったが亡くなった方はいなかったと言うのはホッと出来る事でもあります。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。